2004カパライ・シパダン・ツアー

カパライシパダンツアー2004

最近、週末に仕事が入ることが多かったので、久々に代休をとり、代休と週末と飛び石の休みを利用して、2004年2月7日〜11日まで4泊5日の日程でマレーシア・カパライ島・水上コテージ滞在のダイビングツアーに参加しました。マクロ系の生物の多いカパライからボートでダイバー憧れのシパダンとマブールに行き、合計8本のダイビングを楽しみました。マンタ、カメ、サメなどの大物、ギンガメアジの大群など、思い出深いツアーでしたが、特筆すべきは、水上コテージがとてもバリアフリーだったことです。このツアーの模様をダイビングとバリアフリー中心にリポートします。


クアラルンプールへ クアラルンプール
 成田での搭乗手続きで思わぬハプニング。マレーシア航空では、全く歩けない人は翼の上の席には乗せない、というのです。歩けないけど、いざとなったら床に降りてプッシュアップして動き、誰よりも早く逃げる自信のある私でしたが、マニュアル・オンリーの地上職員には通じません。30分以上も時間をとられ、やっとチケットが発行されました。前回、フィリピンに行ったときは、頼んであったのに到着地で私の車椅子が運ばれて来なくて困ったので、今回はそれも念を押してお願いしました。
 あまり時間がなくなりましたが、スターバックスで軽食をとって、飲み物とスナックを買って機内へ。身体の大きい私は、エコノミークラスではかなり辛いので、通路側か窓側に席を取ります。通路側もいいのですが、長時間の飛行だと寝たときに通路側に倒れて通行する人のじゃまになることがあるので、今回は窓側を予約しました。窓側は、窓の付近が外側にへこんでいるので肩を逃がすことができ、壁にもたれかかれるので快適です。ところが!今回の窓側の席は、ちょうど窓のない部分!大ハズレです。かなり窮屈でした。
 午前10:30に飛行機は出発。約7時間後の現地時間午後5:50、マレーシアの首都クアラルンプールの国際空港に到着しました。時差を加味して7時間20分の旅でしたが、疲れもそれほどなく快調でした。マレーシアの地名に多い「クアラ」とは「湾」のことだと、マレーシア人のスチュワーデスさんが教えてくれました。クアラルンプールは、最初に見つけた人が「泥の湾」だと言ったことから名付けられたそうです。
 車椅子も無事到着し、通関手続きを行い国内線に乗り継ぎです。クアラルンプール空港は、たいへん立派な空港で欧米の空港と同等またはそれ以上に感じられました。エレベーターの配置など、バリアフリーどころか、ユニバーサルデザインで建てられていることも感心しました。世界中のブランドショップも建ち並び、みんなで、帰りに寄ろうと約束して国内線のゲートへ。

コタキナバルへ
 午後6:45発のマレーシア空港国内便でボルネオ島のコタキナバルへ。ボルネオ島は北西部がマレーシアで南東部がインドネシア。北部にはマレーシアに挟まれて裕福で有名な国ブルネイがある島です。ちなみにインドネシアでは、ボルネオとは呼ばずカリマンタンと呼ばれています。今回は、北西部のコタキナバルへ行き、一泊して北部東側のタワウへ行き、車と船を乗り継いでカパライ島に行く予定です。
 途中で一回、ボルネオのどこかに着陸(寝ていた僕らは聞かされていなかったのでビックリしました。)また離陸して午後10:20にコタキナバルに到着。クアラルンプールはもちろんコタキナバルもボーディング・ブリッジで空港内へ移動できたので楽でした。飛行場には予約してあった送迎サービスが迎えに来て、空港から10分ほどのところにあるシャングリラ・ホテルへ。ちなみにシャングリラ・ホテルの部屋は一般の部屋でしたが、バスルーム以外は問題なく使えました。バスルームも車椅子の車輪を片輪外して、トランジット・ホイールを使うことで使用できました。狭い場所に入ることも多いので、私にとってトランジットホイールは旅の必需品になっています。次の日の朝が早いので、みんなすぐに寝ることにしました。今日の移動時間は約15時間。けっこう疲れました。
ホテル入口 トイレへ
ホテル入口もいちおうバリアフリー 旅の必需品を使ってトイレへ

タワウへ タワウ空港
 午前6:10発の国内線に乗るために起床は3時半。荷物をまとめてロビーに降り、送迎サービスの車を待ちます。しかし、なかなか車は来ず、5時ころになってやっと到着。すぐに乗り込んでコタキナバル空港へ向かいます。空港はのんびりしたもので、「人が来たから仕事始めるか〜」という雰囲気でした。荷物をチェックインして待合室へ。車椅子を到着地で飛行機まで持ってくるように依頼すると「スペシャル・デリバリー」のタグを付けてくれました。これで安心です。しかし、フェイントだったのは、飛行機がまさかのタラップでの搭乗!しかし、空港のスタッフと今回のツアー主催のヴァレンタインキッズの齋藤さんが両側から抱えてくれてタラップを登り、飛行機の中へ。すると、重そうに私を抱えているのを見かねたスチュワーデスさんが、「席を変えておくから前方の席に座っていい」と言ってくれたのです。これには助かりました。
 45分ほどでボルネオ島を横断して北東部のタワウの空港に到着。なんと、こんな場所(と言っては悪いかもしれませんが)の空港にもボーディング・ブリッジがあったのには驚きでした。しかし、周りを見ると日本人、それもダイバーらしき人ばかり。ダイバーがこの空港の発展に寄与したのかもしれません。
 タワウ空港の外で待っているとカパライ島行きの船が出るセンポルナの港へ行くバスが到着しました。これも乗客はすべて日本人ダイバー。マイクロバスなので、荷物を後に積み、3段ほどの段差をまた齋藤さんとバスの運転手さんに抱えられて座席へ。見知らぬダイバーの人が入口に一番近い席を確保してくれたので助かりました。ありがとうございます。

センポルナへ
 センポルナまでは、車で約1時間半。マイクロバスはけっこう飛ばして行きます。椰子の木(?)のジャングルの中を走っていくという感じですが、舗装はちゃんとされている道なので快適です。途中、バナナ畑だっただろうと思われる場所も何カ所か通り過ぎました。もう収穫されているようでした。ボルネオ島の大きさは日本の九州よりも大きいそうです。その北東部の町タワウからセンポルナまで、ダイナミックな地形が続きます。
 風景が変わり、港町に入ったのが分かりました。センポルナの町に到着です。さらに港を目指してバスは進み、「Pulau Sipadan Resort(シパダン島リゾート)」の看板も目に入ってきました。シパダンと言えばダイバー憧れの地、きっとこの町の経済発展にもダイバーが寄与しているのでしょう。バスが停まり、他の乗客と荷物が降ろされてから、バスの運転手さんと齋藤さんに抱えてもらって車椅子に降ります。
車窓 センポルナ
ジャングルの中を進む道 センポルナの港に到着

センポルナ出発
 海の上に突き出た板張りの通路を通って待合室へ行き乗船手続きをします。ここはどうやらシパダンとカパライに渡る人たち専用の港のようでした。シパダン島リゾートと水上コテージのカパライ・リゾートは同じ会社が運営しているそうです。こんな場所の待合室のトイレが、段差はあったものの車椅子で中に入れたのにはビックリでした。しばらくすると乗船ということで、スタッフが迎えに来ました。まず最初に車椅子の私からということです。スタッフが手伝ってくれて数段の階段を車椅子ごと降り、そのままボートへ。満潮だったので助かりました。ボートは両側に座れるタイプでしたが、後部の座席の間に車椅子ごと乗ることになりました。同じツアーの仲間が次に乗り、総勢20名ほど乗り込みましたが、全て日本人ダイバーだったのにはビックリでした。全員ライフベストを手渡され、着終わるとボートは出発です。
バス PSR
今回使用したバス シパダン島リゾート用の桟橋

カパライ到着
 このボートはかなりの高速艇。日本でよく使っている網代の高速艇のエンジンを倍にして2基搭載したようなボートでした。空が曇っていたのが残念でしたが、青い海の中をボートは突っ走って行きます。ボルネオ島に沿って進んでから外海に出ていきます。島の沿岸にも海に飛び出した形で水上コテージのような住居が建ち並んでいるのが見えました。このような家を建てるノウハウを利用して、沈んだ島(らしい)カパライ島に水上コテージを建てたのかもしれません。水上コテージにすると虫が来ないという利点もあるそうです。しばらくすると島が見えました。マブール島です。ここにもリゾートがあり、ダイビングのポイントとしても有名です。次に見えてきたのがカパライ・リゾートでした。周りに何もない青い海の中に茶色のコテージ群が浮かび上がります。「写真で見たのと同じだ!」ちょっと興奮してしまいました。ボートはレストランの近くの桟橋に係留され、僕らの他、何人かが下船し、残りの人たちはシパダン島のリゾートに行って滞在するようです。マレーシア人のスタッフたちが笑顔で迎えてくれて、とてもいい雰囲気です。まったく当たり前のように私の下船を手伝ってくれたのも嬉しかったです。
ボート カパライ
ボートの中 カパライ・リゾートに到着

カパライ・リゾート
 僕らのグループと大阪から来たグループは初めてのカパライリゾート滞在だったので、まずマネージャーらしきマレーシア人の女性からリゾートの説明がありました。レストランを中心に板張りの通路を進むとコテージタイプの客室に、反対方向に進むとダイビング・ショップに行けるそうです。コーヒー、紅茶と、その時も出されていた薄いオレンジジュース風の飲み物は無料。ソフトドリンクやビールはサインをすれば部屋につけることができるので、お金は使うことがない、と言われました。マレーシアの通貨リンギットを持っていなかった僕らはひと安心。クアラルンプールで両替しようと思っていたのですが、トランジットで急いでいてできず、コタキナバルでは時間が遅すぎたり早すぎたりでできず。タワウでも空港では両替できないと言われて1リンギットも持っていなかったのです。その時にみんな財布を預けて、最終日の精算まで使うことはありませんでした。
 次にダイビング・サービスからガイドの青年(名前はドンドン)が来て、ダイビングについてのブリーフィングがありました。ダイビング本数、Cカードランクなどを記入し、Cカードを渡して登録します。その後、昼食をとっている間に、各自のコテージに荷物が運ばれるので、ダイビング機材をメッシュバッグに入れて、午後1:00にダイブショップに集合し、ダイブショップの沖でチェックダイブ、そして2本目にボートダイブに行くということになりました。
ボート カパライ
レストラン ダイブショップ

レストラン、コテージ、海
 食事は全て宿泊代に含まれていて、バイキング・スタイルです。マレーシア料理が並び、お腹の減っていた僕らはお皿一杯に料理を取り、お腹を満たしました。この時もそうでしたが、レストランの担当らしきマレーシア人の女性が「取ってあげる、取ってあげる」と僕のお皿に料理を山盛りにしていきます。「そんなにいらない」と言っても毎回大盛り、毎回満腹でした。
 食事を終え、荷物を持ったスタッフに案内されて、コテージへ向かいます。まずビックリしたのは、コテージに続く通路の両側に見える海のキレイなこと。カパライ・リゾートは干潮になった時だけ水面上に現れる島の上に建てられていますが、レストランやコテージの周りは干潮時でも浅い海になっています。底までの深さは干潮時で1mほどしかなく、海底の白い砂の上にヒトデや魚がよく見えるのです。最初見たときは、ヒトデが模様のように見えて作り物かと思ったほどです。ツバメウオの幼魚が集まっている時もあって可愛かったです。滞在中には、バラクーダが来たこともありました。夜はダツが集まっていたので、ナイトダイブするのにはちょっと怖いと僕らは話していましたが、他のグループにはナイトダイブを楽しんでいる人もいました。
海 リゾート
目の下にはこんな海が ひとつの街のような水上コテージ

コテージ
 部屋について嬉しかったのは、僕のコテージの入口にスロープが取り付けてあったこと。中に入ると部屋の大きさにビックリ。清潔できれいに掃除された部屋にはベッドが3つ、プラス子供用ベッドがひとつあり、入口の反対側にはバルコニーがあってデッキチェアーも置いてあります。バスルームには、シャワー、バスタブ、トイレと洗面台があり、中に入るのも問題ありませんでした。シャワーもバスタブもトイレも使用できたのですが、位置の問題で洗面台の前に車椅子で行くことができず、洗面台が使えなかったのが唯一の問題でした。でも滞在中は、バスタブのところで洗顔し、歯を磨いていたので、不自由は感じませんでした。
 今回は男女2人ずつ4人のツアーなので、僕と齋藤さんがスロープの付いた部屋に、女性たちがもうひとつの部屋に泊まったので、とても贅沢に部屋を使うことができました。僕は子供用のベッドをウェットに着替えるためのベッドとして使用しました。ウェットに着替え、ダイブショップに向かいます。荷物は全てスタッフが持っていってくれました。マレーシアの人たちは、昨年行ったフィリピンの人たちと比べると全くチップを要求せずに、しっかりとサービスしてくれます。国民性の違い、または日本人に対する考え方の違いなのでしょうか?
ボート カパライ
僕らのコテージは一番近い場所にありました 清潔で広々としたコテージ内部

ダイブショップ
 ダイブショップに着くと、施設の説明が行われました。水上コテージなのに充実した設備が目に入ってきました。タンクの充填室。各自の器材をまとめておくカゴを置く棚のある部屋、器材の洗い場、ウェットーツを干す場所。そしてタンクを付けたBCがベンチの上に並んでいました。もうセットされていましたが、再度チェックします。僕は、ウェイトをシステムBCにも入れているのですが、入れ方や留め方が間違っていることが多く、必ず自分でチェックしています。
 バリアフリー面では、ダイブショップへの入口にはスロープが設置され、室内へはフラットでしたが、唯一の問題は桟橋までの階段でした。15段ほどあるでしょうか。しかし、ドンドンはスタッフを指さして「ノープロブレム(問題ないよ)」と言っていました。
ショップ階段 ダイブボート
ショップから桟橋への階段 今回使用したダイブボート

チェックダイブ
 みんなの用意ができるとドンドンからブリーフィングがありました。ダイブショップから階段を下りてデッキからエントリーして潜行し、ダイビング開始です。ポイントはマンダリンバレイで、デッキから深度14mほどのところの小さな沈潜を目指し、20mほどの深度まで行って、時計回りに戻ってくる、というものでした。マクロ系の生物が色々と見られる可能性があるそうです。
 ドンドンの言葉通り、いとも簡単にスタッフが車椅子ごと階段を降ろしてくれました。僕は車椅子から桟橋に降りて、器材を装着してフロントロールでエントリーします。少し沖まで泳いで潜降しました。潜降した第一印象は、あまり透明度が良くないことでした。後で聞くと、このセレベス海は、プランクトンなどが豊富な海なので透明度があまり良くないけれど、魚が多いのだそうです。進んでいくと魚の多さはすぐに実感できました。まずドンドンが見せてくれたのは黄色いイザリウオ。そしてクダゴンベ。グループ10人のうち9人がカメラを持っていたので順番に写真を撮って行くのですが、かなり時間がかかります。僕はちょっとズルかったのですが、ドンドンの一番近くの位置をキープしていたので、一番最初に写真を撮ることができました。その後も、ゴールドスペック・ジョーフィッシュやイソギンチャクモエビを見せてもらいました。その他にも大きなツバメウオや最近マイブームのコクテンフグなどの写真を撮って、ダイブショップまで戻りチェックダイブを終了しました。でも何をチェックしていたのだろう、という感じのチェックダイブでした。
ボート カパライ
クダゴンベが向かって来ました 最近お気に入りのコクテンフグ

 ダイブショップのスタッフに手伝ってもらって階段の上に運んでもらい、車椅子に戻りました。2本目は近くのカパライの海をボートダイブすることになり、3時まで休憩ということになりました。みんなコテージに戻るのですが、途中にあるレストランはウェットスーツ禁止なので、シャワーを浴びながらスーツを脱ぎます。人より脱ぎ着が大変な僕にとってはちょっと面倒でした。レストランでサービスのコーヒーとクッキーを食べて部屋に戻り、ちょっと休むと、すぐに3時前になったので用意を始めます。子供用ベッドを着替え用のベッドにすることにして、寝転がってウェットスーツを着ました。

2本目・カパライ・ボートダイブ
 2本目はカパライ・リゾート近くのクリーニング・ステーションというポイント。ダイビングボートは、リゾートに来るときに乗ったボートと同じようなボートでした。スタッフが手伝ってくれてボートに乗り込み、ベンチに座ります。5分ほどでポイントに到着。順番にエントリーして行きます。器材を付けてエントリーするかどうか迷いましたが、ボートの縁の上ではバランスがとりにくそうだったのと、流れもあまりないことから、3点セットとウェイトベルトをしてエントリーして、水面でBCを装着することにしました。
 水面でベルト類を締めなおしてみんなに合流して潜行します。このポイントも魚が多く、クマノミ、白いイザリウオ、カニハゼ、ハダカオコゼ、セミホウボウのペア、エンマゴチ、カエルウオの仲間、そしてニシキフウライウオ。その他にもヨスジフエダイの群やカメ、そしてカラフルなハナイカなど、本当に魚の多いポイントでした。51分でダイビング を終えて浮上。船に戻ります。あまり喫水線から高くないボートなので、ボートに上がるのもあまり苦になりませんでした。
 ダイブショップに戻ると、ボートから車椅子に乗り移り、スタッフに手伝ってもらって階段を上がり、器材を片付けます。カパライでは、ショップの室内の棚にカゴを置いて器材を入れて水を切り、スーツを干します。ダイブコンピューターやカメラなどの高価なものだけ部屋に持って帰ります。大好きなマクロ系の生物や楽しい被写体がいっぱいで、満足したカパライ初日のダイビングでした。
ボート カパライ
見事な擬態のニシキフウライウオ カラフルなハナイカ

アフターダイブ
 コテージに戻る途中でまたレストランに寄り、無料サービスのコーヒーやジュースを飲み、クッキーを食べてしばらく談笑。みんな初めてのマレーシア、初めてのセルベス海、初めてのカパライでのダイビング に大満足でした。その後、各自のコテージに帰って7時の夕食で再集合ということになり、コテージに戻ります。コテージのシャワーとバスタブは、15cmほどの段の上にありましたが、シャワーの壁とドアを掴んで自分で上がることができました。上がってしまえば、シャワー室も車椅子で入ることができる大きさでしたが、バスタブに入ることにしました。バスタブの縁には座ってバランスのとれる幅があったので、乗り移り、バスタブの底に体を下ろして体を洗い、シャンプーをして、湯を入れて体を温めます。いくら海水の温度が29°あっても、しばらくすれば体は冷えます。充分に温まって部屋に戻り、少し昼寝しました。よく考えると、今日は朝3時半に起きて、飛行機とバスとボートで移動してカパライに着き、2ダイブしたのです。盛り沢山の一日でした。
シャワー バスタブ コテージ入口
トイレの左がシャワー 右にバスタブ コテージ入口

夕食 夕食
 7時少し前に僕らの部屋に集合し、食事に行きました。レストランには、マレーシア料理のバイキングの用意がしてあり、美味しそうでした。お皿をとって、料理をとり始めると、またレストラン担当のマレーシア人のおばさんがやって来て「取ってあげるから座ってて」と僕のお皿に料理を山盛りにしていきます。そんなにいらないんだけど、と思いつつ、なぜかおばさんの親切の「ノー」の言えない僕でした。みんなでビールを買って乾杯し、ダイビング や今回の旅行の話をしながら楽しい食事をしました。デザートは、マンゴやバナナなどの穫れたてフルーツ。去年、フィリピンで初めて食べて感動した、熟れてから収穫した少し茶色いバナナは、とても甘くて僕の大好物になっていましたが、デザートにはマンゴの方が合うので、マンゴをたくさんいただきました。みんな満腹になり、食事を終えると僕らの部屋に集合してログ付けをしましたが、みんな疲れていたのと満腹で、この日は早寝することになりました。
 コテージにはエアコンはなく、天井に取り付けられた大きなプロペラが回って風をかき混ぜていました。僕らはバルコニーのドアを少し開けて眠ることにしました。僕も齋藤さんもすぐに眠りに落ち、熟睡しました。本当に盛り沢山だったけれど満足の一日でした。

カパライ2日目
 7時から食べられる朝食のために6時に起床して用意します。7時少し前に集合して食事へ。早寝したこともあって元気一杯。洋食とマレーシア料理の朝食もモリモリ食べられました。前日にドンドンから8時10分前にダイブショップ集合と言われていたので、一度コテージに戻って用意をします。僕はコテージのベッドでウェットに着替えてダイブショップへ。今日はシパダンに行く予定なのでワクワクします。
 用意していると、今日の担当ガイドはドンドンではなく、彼の先輩のロデールだということが判りました。担当が変わると、もう一度説明しなければならないことがたくさんあって面倒くさいのですが、話してみるとロデールもとてもいい感じの奴だったので安心しました。
 今日の最初の2ダイブは、シパダンで潜り、カパライに戻ってこない、ということなので、ロデールたちスタッフは僕を車椅子ごとボートに乗せました。まぁ、この方が楽なので自分としてはラッキーでした。
 15分ほどでシパダン島の北西にあるバラクーダ・ポイントに到着。今回はドリフトダイブですが、水面はそんなに流れていなかったので水面でBCを装着して潜降します。すると3匹のマンタが泳いで行くのが見えました。グループの中でも数人しか見られなかったそうで、ラッキーでした。流れに乗ってドリフトしながら除々に深度を下げていきます。5分ほどで25mほどの深度に、そして30mの深さまで15分ほどかけてドリフトして行きます。下を見ると遙か下に底が見えます。80mくらいの深水深があるのかもしれません。僕の大好きなドロップオフの横をドリフトして行くのですが、透明度がよかったら絶景だったでしょう。30mから今度は徐々に深度を上げて20mの深度で再度ドリフトして行きます。このドリフトで見たものは、ギンガメアジ、ロウニンアジ、ナポレオン、レオパードシャーク、ホワイトチップシャーク数匹、イエロースポッテッドレイ、カメ多数、スミレナガハナダイの群、カマスの群。しかし、ポイントの名前にもなっているバラクーダ(オニカマス)を見れなかったのが残念でした。28分過ぎに浅場に向かいます。ドロップオフの上になる8〜10mの浅場には小物やマクロ系の生物が多く、カメラで撮るには最高でした。ところが、このダイブの前、2つのカメラを用意していた私は、エントリー直前になって、シパダン初のドリフトだから、ということで比較的大型のオリンパスのデジカメをボートに置いて、小型のミノルタのデジカメを持って入りました。ところがこちらのカメラに充電した電池を入れていなかったのです。大失敗!けっこういい被写体があったのに残念でした。50分のダイビング を楽しんでボートに戻ります。かなり気に入ったポイントでした。
ショップ階段 ダイブボート
ブルーの中を進みます ご機嫌なドリフトダイブ

シパダン島上陸
 次のダイビングまで1時間ほど休みをとるために、シパダン島に上陸することになりました。島のリゾートは、僕らの泊まっているカパライ・リゾートと同じ系列なので、使用できるのだそうです。しかし、島のバリアフリーが悪いから水上コテージのカパライに宿泊することにした自分としてはちょっと心配でした。
 ボートは白い砂浜前の浅瀬にアンカーを落とし、ひとりずつ水の中に降りて砂浜に歩いていきます。最後にロデールとスタッフが車椅子を砂浜に運んでから僕を車椅子まで担いで行ってくれました。そして砂浜を押してもらい、ダイブショップの建物に上がりシャワーを浴びます。その後、もう3段上げてもらってレストランの前の広いバルコニーへ。ここで休憩です。レストランはカパライと同じシステムで、コーヒー、紅茶と、薄いオレンジジュース風の飲み物は無料。ソフトドリンクやビールはサインをすればカパライの部屋につけておいてくれるそうです。僕らは飲み物とクッキーをもらいました。バルコニーには欧米からの観光客が多く、デッキチェアーに寝ころんでいます。日本人と韓国人のダイバーも多いのが分かりました。僕らは日向を避けて日陰に座って休憩しました。
シパダン島上陸 シパダンリゾート
シパダン島上陸 シパダンリゾートで休憩

シパダン2本目
 シパダン島での休憩の後、またボートに乗って2本目のダイビングに出発です。2本目はサウスポイントという島の南側のポイント。島の南側は浅瀬が広く続くので、ポイントの中では、かなり島から離れたポイントです。1本目同様、ドロップオフに沿ったドリフトダイブです。ポイントに着き、1本目と同じ手順でエントリーして、水面でBCを装着することにしました。ところが、アクシデントが発生。スタッフに手を貸してもらいながら、3点セットとウェイトベルトを付けてボートのベンチから縁に上がって座ります。ここでウェイトベルトを締め直そうとしたとき、スタッフはもう僕の用意ができたものだと思って手を離しました。バランスの悪い縁で手を離されると自分ではバランスがとれない僕は、マスクを押さえて身体を前に倒してエントリーしました。入水するとすぐにベルトに手をやりましたが、ベルトはウェイトと共に水中深くへ落ちていってしまいました。ロデールに話すと、水深が深いせいか、取りに行くのではなく、ボートにあったウェイトをポケットに入れて対処して潜降しました。6年も使っていたウェイトベルトだったので、ちょっと残念でした。「シパダンのサウスポイントに眠る」になってしまいました。
 潜降すると、すぐに20mまで潜降してドリフトして行きます。このポイントもドロップオフの横をドリフトする豪快なボイント。しかし、今回のドリフトでは何匹かのサメや多くのカメは見られたものの大物にはあまり出会えませんでした。しかしドロップオフや浅場には魚が多く、ムレハタタテダイの群やホウセキキントキの群、ミナミハタタテダイ、多くのハタタテハゼ、コクテンフグ、キベリクロスジウミウシ、ツユベラの幼魚、そして固有種らしい名前の分からない魚も何種か見ることができました。そんなに悪くないポイントでしたが、最後の18分間ずっと5mほどの浅場だったのは浅すぎ。それならもう1kg付けた方が楽だったと思いました。
カメ ハタタテゼ
サンゴの中で寝ていたカメ ハタタテゼ

 ボートに戻ってハシゴを使って船に上がります。喫水線までの高さが低いのであまり苦になりませんでした。昼食のためにカパライに戻ることになり、ボートはカパライへ。到着するとスタッフが手伝ってくれて船から降りて桟橋からショップへの階段を上がるのですが、今回は僕が車椅子に座っていたので、そのまま行っちゃえ!と、車椅子ごとボートから降りて、そのまま階段を上がりました。カパライのスタッフはとても覚えが早くて、気がきくので、とても安心して手伝ってもらえました。シャワーを浴びてウェットを脱ぎ、レストランへ昼食をとりに行きます。

マブール初ダイブ
 昼食を終え、少しリゾートで休んでからダイブショップに集合し、またボートに乗って3本目のダイビングに出発です。3本目はカパライからボルネオ島に少し戻ったところにあるマブール島。ロブスターウォールというポイントで、ピグミーシーホースがいるということでした。カパライ、シパダンに続いてマブールでも潜れることになったので嬉しかったです。
 ボイントに到着し、潜降して20mの深度に降り、ドロップオフの横をドリフトして行きます。しばらく行くとドロップオフの窪みでロデールが僕らを呼びました。ピグミーシーホースを見つけたようです。ピグミーシーホースにしては浅い深度です。見に行くと体長1cmほどのピグミーシーホースが見えました。正月に沖縄で見れて、すごくいい写真が撮れていたので、僕はちょっと見てからグループの他の人たちが写真を撮るのに場所を譲りました。その後もドロップオフでは、トサカリュウグウウミウシ、コイボウミウシ、そして見たこともない白い縁にキレイな水色のウミウシ、ブチススキベラの幼魚、アカククリの幼魚、コマチコシオリエビやオランウータンクラブを見ることができました。潜降後25分ほどしてから少しずつ浮上を始めて行きます。魚の群も多く、キンセンフエダイの大群、タカサゴの大群、スズメダイの群、ハシナガチョウチョウウオ、スミレナガハナダイ、ソメワケヤッコ、ウメイロモドキの群、ゴマフキンチャクフグ、イエロースポッテッドレイなどを見られました。48分で潜水を終了。かなりおもいろいドロップオフのポイントでした。
XXXXダイ キレイなウミウシ
スミレナガハナダイ 初めて見たキレイなウミウシ

 カパライに戻って器材を洗います。最後にロデールから、明日は3本ともシパダンで潜るので、昼食もシパダン島で食べるとの発表がありました。楽しみです。帰りがけに、ロデールに「明日の3本目が僕の550本目なんだ。」と言うと、「それは、すご〜い!」とロデールは親指を立ててウインクしました。何かしてくれるのかな?

アフターダイブ
コテージへ帰る途中にレストランでコーヒーとクッキーを食べて、部屋に帰ってお風呂に入って、ちょっと昼寝。毎日同じパターンです。夕食に行って、ビール飲んで、バイキングでお腹いっぱい食べました。これも同じパターン。水上コテージの上だと、唯一の娯楽はピンポンとビリヤード、ギターに合わせて歌うくらい。できることがかなり限られているので、同じパターンになってしまうのですが、こんな生活も悪くありませんでした。フィリピンのポラカイ島に行ったときは、レストランやお店がたくさんあるので、夜遅くまで遊んでしまいましたが、何もなければ、ゆっくりするか、寝るしかありません。今回のツアーの仲間もみんな日本にいたら仕事や付き合いで忙しいので、滅多にないこのような機会を使って充分に休んで疲れを癒していました。
バルコニー 夜景
部屋のバルコニーで 夜の水上コテージ

海の真ん中にある水上コテージは、夜になれば真っ暗な世界の中に浮かび上がります。少しばかりの電灯、クーラーもテレビもない生活。でも素晴らしい海でダイビング三昧。やっぱりダイバーしか来ないかな・・・

カパライ3日目・1本目・ギンガメアジの大群
 7時に朝食を食べ、用意をして8時10分前にダイブショップ集合。器材の用意をします。ブリーフィングが始まると、今日の担当ガイドはロデールではなく、ドンドンだということが判りました。「え〜、昨日の550本の約束が〜」と思いましたが、シパダンで3本潜れることの方が楽しみで、気になりませんでした。今日は、3ダイブともシパダンなので、カパライには戻ってこない、ということで、また車椅子ごとボートに乗ります。続いてみんなが乗船して出発です。
 1本目は、ギンガメアジの大群を見に行くということで、シパダン島の南東にあるタートルパッチというポイントに到着。今回は、5mほどの水深を進んでギンガメアジの群のいるポイントに行ってから深場に降りてドリフトダイブという予定です。今回も水面でBCを装着して潜降します。
 5mの深度を進んで行くと、ギンガメアジの大群が目に飛び込んできました。すごい数です。さらに進んで群の中に入りました。触れるほど近い距離です。それも体長40cm以上もあるギンガメアジの大群。すごい迫力です。僕は夢中になってシャッターを押しました。円を描くように泳ぐ群と一緒に泳いでいると自然と一体化した気持ちになります。ロウニンアジも何匹か一緒に泳いでいるのが分かりました。僕らは20分以上もギンガメアジと一緒に過ごしました。みんな、ずっとここにいたいと思っているようでしたが、ドンドンにせかされて深場に降りていきます。
ギンガメアジ1 ギンガメアジ2
ギンガメアジの渦 だだ、ただ感動でした!

ドリフトを始めたドンドンは、どんどん深度を下げていって30mを超えました。レオパートシャークを見つけてから深度を少しずつ上げて行きます。ドリフトではナポレオンとカスミチョウチョウウオの大群などを見ることができました。49分で潜水を終了。今回のダイビングでは何よりもギンガメアジの大群が圧巻でした。今回のツアーの最高な思い出になりました。

ボートの乗り降り 乗り降り
 ダイビング後、シパダン島に行って休憩です。1時間半ほど水面休息時間をなので、いちいち僕のことをかついで島に上げてくれなくてもいいのに、と思ったのですが、ドンドンたちはイヤな顔ひとつせずに僕を島に運び、車椅子に乗せてレストランに連れて行ってくれました。
 海の上を運ばれるときは、両側の2人の肩に手を回し、僕の膝の裏あたりで組んだ彼らの外側の手の上に座るというクロスチェーン・キャリー方式です。僕のように体重の重い者の場合、運ぶ人にとってこの方法が最も楽なようです。正しい運び方をしてもらえれば、運んでもらっている方も楽なのです。
 島のレストランでちょっとジュースを飲んでクッキーを食べて休んだ後、またスタッフは、僕をボートに運んでくれます。顧客サーピスの一環と考えているのか、嫌な顔ひとつせずに手伝ってくれる彼らに感謝です。

2本目
 1本目のポイントから北に移動して、2本目はシパダンの東側のコーラルガーデンというポイントからバラクーダポイントにドリフトダイブで潜りました。ラッキーならバラクーダの大群が見られるそうです。潜降するとドンドンはドリフトしながら、どんどん深度を下げて行きます。僕らに何か大物を見せなければ、という責任感で潜っているようにさえ見えます。30mをトリフトしていた時、ドンドンが急潜降して行くので追いかけて行ったらドロップオフの窪みにレオパートシャークがいました。しかし、深度計を見ると40m近いので写真は撮らずに深度を戻しました。その後はドンドンも深度を上げてドリフトして行きましたが、今回のドリフトはハズレという感じで大物や群はほとんど見られませんでした。浅場に行くと魚は多くなり、ツノダシ、ミナミハタタテダイ、ツノハタタテダイ、ムレハタタテダイの群、テングハギの群、ツマリテングハギ、カクレクマノミ、ゴマモンガラ、アヤコショウダイ、大きなツバメウオの群、ガーデンイールなどを見ることができました。
カクレクマノミ ハタタテダイ2種
カクレクマノミの子供たち ミナミハタタテダイとツノハタタテダイ

今回も海からボートにはハシゴを使い、ちょっと齋藤さんに押してもらって上がりましたが、喫水線までの高さが低いのであまり苦になりませんでした。そしてランチのためにシパダン島へ再上陸です。ドンドンたちはまたイヤな顔ひとつせずに僕を島に運んでくれました。

シパダン島でランチ
 昼食と次のダイビングまでの休みをとるために、シパダン島に再上陸です。もう3度目なのでスタッフは車椅子を運んでくれたり、レストランへの階段を手伝ってくれました。今回のツアー期間中ずっと感じたことですが、ここのスタッフは、本当に覚えがよくて気が利きます。僕のマレーシア人に対するイメージはとても良いものになりました。僕らのシパダン島への上陸はこれが最後になりましたが、近い将来、シパダン島への上陸が前面禁止になるそうです。もちろん宿泊もできなくなります。世界遺産に指定されたという話もあり、人が上陸することでウミガメが卵を産みに来なくなったり、自然が破壊されたということが原因のようです。カパライのようなリゾートができたので、そちらで宿泊客はカバーできるでしょうし、この素晴らしい自然は守っていくべきでしょう。
 レストランに上がり、カパライ・リゾートと同じようなバイキング形式のマレーシア料理のランチを食べます。毎日マレーシア料理でしたが、美味しいので飽きることなく楽しんで食事できました。食後はデッキチェアーに寝て日光浴をして少し休みました。今回のツアーは晴天の日が少なかったのですが、かえって過ごしやすくてよかったです。その後、水中カメラの整備をしているうちに出発の時間となりました。
 白い砂浜前の浅瀬にアンカーしてあるボートに、また運んでもらって乗り込みます。その後、他のダイバーたちがひとりずつ乗り込み、最後のダイビングに出発です。
写真・ 写真・
ドンドンとシパダン・リゾート 島でのランチ・タイム

3本目
 今回のツアー最後のダイブは、島の南東にある1本目のタートルパッチの少し北にあるミッドリーフ。今回もドリフトダイブ。潜降してドロップオフの横、水深20〜30mを35分以上も流しましたが、もう見慣れてしまったサメやカメ数頭ずつ、そしてナポレオンくらいしか見ることができきませんでした。でもブルーの海の中を進んでいくのはいい気持ちです。浅場に移動してからは、大きなツバメウオ数匹、モバウツボ、アジアコショウダイ、ヤマブキスズメダイ、フタスジリュウキュウスズメダイの群、ハナゴイの群、キンギョハナダイの群を見ることができました。浅場はよかったけれど、ドリフトでは大物や大群を見ることができず、ハズレるとけっこう寂しいドリフトダイブでした。こんなことなら、もっと早く浅場に上がってじっくり写真が撮りたかったです。でも、何といっても今日の一本目のギンガメアジの凄い大群が頭の中に焼き付いていて、幸せな気持ちでダイビングを終えました。
ドリフト 浅場
こんな感じでドリフトしました。 浅場では写真に夢中

 ボートに戻り、カパライに戻って器材を洗います。最後なので入念に潮を落としました。器材とウェットを干して、ダイブショップからコテージに向かいます。今回のパターンとなっていましたが、コテージに戻る途中でレストランに寄って、無料サービスのコーヒーやジュースを飲み、クッキーを食べてしばらく談笑しました。やはり話題は1本目のギンガメアジの大群。デジカメの画像やムービーわ見せ合って盛り上がりました。その後、各自のコテージに帰ってシャワーを浴び、7時の夕食まで休むことになりました。

最後のディナー
 部屋に帰り、ゆっくりとバスタブに浸かって楽しかった3日間8ダイブのことを思います。新しい発見の連続で、あっという間に過ぎた3日間です。騒音もなく、テレビもエアコンもない生活も明日で終わりです。都会に住む人間にもこういう生活って必要だよなぁ、と感慨にふけってしまいました。
 荷物をまとめていると7時前になり、みんなが集まって来たので夕食に行きます。マレーシア料理の夕食バイキングもこれで最後。またマレーシア人のおばさんに山盛りに料理を皿に盛られて席に戻り、楽しかったダイビングに乾杯して楽しい夕食の時間を過ごしました。
 夕食を食べ終わったころ、急に後からロデールが現れました。もう2人のダイビングのスタッフと一緒です。お別れを言いに来てくれたのでしょうか。するとロデールはグラスをスプーンでたたいて大声で言いました。「みなさーん、お静かに!アナウンスがあります。ここに、今日550ダイブを達成したダイバーがいます!みんなでお祝いしましょう!」周りのお客さんからも拍手が上がりました。そしてロデールは「プレゼントです」と言って僕にTシャツを渡しました。Tシャツには、「Congratulations for 550 dives to Yasuhiro(泰広さん550ダイブおめでとう)」と書いてあります。「ありがとう!!」僕はロデールたちと握手を交わしました。「覚えてくれてたんだぁ」嬉しくなりました。僕の中のマレーシア人の株が上がったのは間違いありません。その後もみんなで祝杯を挙げました。
夕食風景 550本記念
マレーシア料理気に入りました お祝いのTシャツと記念写真

最終日・バリアフリーチェック
 カパライを出発する日がやってきました。なんと、この日が一番の晴天。出発までに時間があるので、何人かの人たちはダイブショップ前の海でスノーケリングを楽しんでいました。日光浴をしている人もいます。僕は、カパライの施設とそのバリアフリーについての写真を撮るためにリゾート内を視察です。改めて施設を見ると、コテージの入口に加えてレストランとダイブショップが一段高くなっているだけ。そこにもスロープが設置されているのでバリアフリーになっていました。しかしダイバーは器材を入れたキャスターバックを使うし、タンクや器材を台車に乗せて運ぶためにもスロープは役立つので、ユニバーサルデザインと言っていいでしよう。建築や都市計画にはよく起伏や高さの違いが使われます。デザインかるのが簡単なのかもしれません。しかし木造の水上コテージでは起伏や高さの違いはかえって大変。結果として、とてもバリアフリーそしてユニバーサルデザインな施設が作られていました。あとは、海に降りる部分が何とかなれば最高の施設になるでしょう。
スロープ1 スロープ2 スロープ3
レストランのコテージ側 レストランのショップ側 ダイブショッブ入口

カパライ出発
 最終的にコテージで乾かせた器材とウェットスーツをパックし、荷物をまとめてからレストランに行き、いつものバイキングの昼食をとります。そしてとうとうカパライ出発の時がやってきました。荷物はスタッフがボートに積み込んでくれました。お世話になったスタッフがみんな見送りにやってきました。僕はお礼を言い、間違いなくまた利用することを約束してボートに乗ります。また、スタッフが車椅子ごとボートの最後尾の座席の間に運んでくれました。他の乗客も乗り込み、みんなライフジャケットを着て出発です。リゾートのスタッフが笑いながら手を振ってくれています。本当にいいスタッフの人たちでした。なごり惜しさを吹っ切るように高速ボートはカパライ・リゾートから離れていきます。そしてすぐに水上コテージは海に同化して見えなくなりました。
リゾート 出発
右端のレストランの隣が僕らのコテージです。 ボートに乗り込んで出発です。

 しばらくすると左手にマブール島が見えました。キレイな島。ここでも潜ったんだなぁとカメラのシャッターを切りました。ボートは青い海の中を一直線にボルネオ島に向かいます。15分ほどでボルネオ島が見え、島々の間を通ってセンポルナの港を目指します。

センポルナ到着
センポルナ到着  センポルナの港のシパダン・カパライ・リゾート用の桟橋が見えてきました。あとは降りてバスに乗るだけです。ところが桟橋が近づいて行くと、3日前に出発した時と様子が違います。何かが違う?さらにボートが桟橋に近づくと何が違うか分かりました。干潮なのです。それもかなりの引き潮です。3日前にここから出発した時は満潮だったようです。「あ〜、まただ〜!」前年のフィリピンといい、どうも接岸時に潮に恵まれないことがよくあります。日本では潮汐表を見て、気にしている潮の干満も外国ではチェックできていませんでした。 すごい引き潮!
センポルナ到着     すごい引き潮!

下船
 「まぁ、何とかなるよ」と齋藤さん。船長も「大丈夫。最後に手伝うから待っててね。」と言ってくれました。まず他の乗客が降りて行きます。ひとりずつ狭い船室を通ってハッチのような出口からボートの舳先に出て、桟橋に乗り移っています。「これはできないな・・・」
 乗客は僕だけになり、船長は何度も船を切り返して、ボートを横付けにしてくれました。しかし、横には桟橋の階段が・・・「どうやって降りたらいいんだろう?」船長が腕組みして考えていましたが、何か叫んで指示しました。すると数名のスタッフが走ってきました。「やっぱり人海戦術か・・・」でも、それより他に降りる方法はないでしょう。
 とうとう降りる時がきました。スタッフは僕の車椅子を傾けて前向きで船から降ろそうとし始めました。「そ・それは無理なんじゃない・・・」案の定、車椅子のタイヤがボートの縁に乗ると僕の頭がボートの屋根に当たります。「後ろ向きの方がよかったんじゃないか・・・」しかしスタッフはそのまま続けます。引っかかっている僕をさらに後に倒してボートの縁と屋根の隙間を通そうとしています。しかし桟橋の階段はさらに高い位置。そこで彼らは車椅子を更に傾けます。僕は仰向けに寝た状態になり、このまま後方宙返りするのではないかと思いました。しかし、何とかボートから降りることができ、階段も上げてもらって桟橋の上へ。手伝ってくれた人たちにお礼を言って、他のメンバーに合流しました。
 みんな、僕が降ろされているのを見て笑っていたそうです。気心の知れた友達ならではですが、前年のフィリピンツアーのバリアフルな環境でかなり苦労した僕が、今回とても快適に生活していたので、最後にこんなことがあって、いいオチになったようです。なんだそれ!
下船1 下船2 下船3
そ・それは無理 後方宙返り? やっと桟橋へ

タワウへ
 バスの運転手さんと齋藤さんに手伝ってもらってマイクロバスに乗り込みます。車椅子はたたんで運転席の隣に乗せてくれました。タワウ空港まで約1時間半のバスの旅です。この4日間、マレーシアの人たちと一緒に行動した後なので、窓の外に見える街や人も来たときと違って見えます。何となく親近感があるのです。旅をしてその国や人々を知るのには、こういうメリットがあるのです。バスはジャングルの中をかなりのスピードで飛ばして行きます。
 バスに揺られて、ちょっと寝てしまったようで、目が覚めると外はスコール、大雨になっていました。しかしバスはスピードを落とすこともなく、慣れた運転でタワウに向かいます。そして、しばらくするとタワウの町に入り、なんとなく見覚えのある空港に到着しました。
 バスから降ろしてもらって搭乗手続きを待ちます。周りは日本人だらけ、それもダイバーらしき人がどんどん集まってきますがカウンターには誰もいません。10分ほど経ったころでしようか、やっと空港職員が現れて搭乗手続きを始めました。とても立派な空港ですが、やはり田舎の空港。人が来たら出ていって相手する、という感じでした。
車窓 タワウ空港
バスの移動中はスコールでした。 タワウ空港に到着です。

カパライ・シパダン・ツアーを終えて
 タワウ空港から国内線でコタキナバル経由クアラルンプールへ。国際線に乗り換えて朝7時に成田空港到着。着替えて車を運転して、そのまま出勤という慌ただしさでした。しかし、ハイな気持ちが続いていたせいか、その日も一日とても快適に仕事をすることができました。やはり海とダイビングは私の活力源のようです。
 前年に初めてのアジア旅行として行ったフィリピンのボラカイ島のツアーでは、そのバリアフリーの悪さにストレスで食事ができなくなったこともありました。しかし、今回は2度目のアジアだったこと、思いのほかバリアフリーだった水上コテージでの生活、そして優しいマレーシアの人たちのおかげで快適な毎日を送ることができました。少なくとも自分で動き回れる環境があればストレスは溜まらないようです。
 バリアフリーチェックのところでも書きましたが、いくつかの段差に用意されたスロープが、車椅子のためなのか、ダイビング器材を運ぶためなのか分かりませんでした。でも、どちらにも優しい環境であることは間違いなく、ユニバーサルデザインだと言っても過言ではないでしょう。こんなアジアの果ての水上コテージでもこのようなことが可能なのだから、日本も頑張ってほしいと思いました。仕事や講演、そしてダイビングのために地方を訪れると、バリアフリーなホテルの部屋が一室もなかったり、施設がバリアだらけのこともよくあります。車椅子のためだけではなく、台車やベビーカーなど車輪の付いたすべてのものと共有できることを考えただけでも段差を解消する意義はあるでしょう。ダイビングにしても、高齢者ダイバーも増えているこの頃、優しい環境にすることで、必ずリピーターは増えるはずです。私も間違いなくシパダンとカパライのリピーターになるでしよう。私が繰り返し訪れることで、さらに環境が優しくなれば言うことありません。
 最後に、今回のツアーを主催したヴァレンタインキッズと現地カパライ・リゾートのダイビングサービスのスタッフ(特にガイドのドンドンとロデール)そして色々な場面で手伝ってくれたみなさんに感謝したいと思います。ありがとうございました。

カパライ・リゾート