2011年メッセージと活動

東京都障害者スポーツ振興計画

<2011年12月16日>
今年、東京都スポーツ振興審議会の障害者スポーツ専門部会で審議してきた「東京都スポーツ振興基本計画・障害者スポーツ編」の原案がまとまり、本会議で発表しました。東京都は昨年スポーツ振興局を設立し、国や他の都道府県に先駆けて障害者スポーツを一般のスポーツと同様にスポーツ局で管轄することになりました。これで海外の障害者先進国に一歩近づき、今回の基本計画・障害者スポーツ編で次の一歩を踏み出します。強い障害者アスリートを養成することから、障害児や重度な障害の方、さらには高齢者も含めて、もっと多くの人達がスポーツを楽しめる環境とプログラムを提供していきたいと考えています。
東京都は、障害者スポーツ分野について中長期的な視点から体系的・継続的な振興を図っていくために、この「東京都障害者スポーツ振興計画(原案)」を取りまとめました。原案について広く都民の皆様の意見を募集していきます。

 

岩手県の被災地を訪問

<2011年12月12日>
14年前から、まちづくりとシーティングの講演やセミナーそしてバリアフリー懇話会の委員として何度も訪れている岩手県。友人も多い岩手が大震災に遭ったのは大きなショックでした。被災地を見ておいてほしいという友人の声を受けて大船渡と陸前高田に行ってきました。
船渡市の市議の協力を得て、まずは大規模仮設住宅団地と障害者用の仮設住宅団地を訪問。障害のある入居者の皆さんとの懇談会で震災後の問題と仮設住宅の問題について話を聞きました。震災後に私も手伝っている褥瘡の治癒を目指す医師と看護師のグループで、褥瘡予防のエアマットを被災地に送ろうとした時に、どこからも必要だという声は届きませんでした。しかし今回会った車いすの方は震災後にずっと自動車の中や避難所で過ごしたことでひどい褥瘡になってしまったということです。ニーズはあるのに支援者にその情報が届かないという現実を目の当たりにしました。 仮設住宅について皆さんが口にした一番の問題は障害者用とされている仮設住宅のアクセシビリティの問題。中でもユニットバスは入口の大きな段差と狭い入口で車いすでは到底使用できない代物。実際に見せていただきましたが、手すりもなくて、どこが障害者用なのだろうと思いました。高齢の車いすの男性は、入浴できないのでデイサービスに入浴に行っているそうです。問題は満載なのに入居者や支援員が市に嘆願しても問題は解決されないということなので、問題についてヒアリングした後、今後の市や県との交渉につしてアドバイスを提供し、今後も後見人として手伝う約束をしました。

次に訪れたのは就労移行支援の障害者施設。ここでも障害のある方3名と就労支援員の方に話を聞きました。彼らの中には働いてた会社が津波で崩壊して職を失って施設に戻って来た人もいました。仕事がなくて収入が得られないことが一番の問題でした。 もうひとつの大きな問題は家が津波の影響を受けなかった人。仮設に入っている人との格差が大きく、炊き出しも支援物資ももらえないそうです。彼らは被災者として扱われないそうですが、震災後に職を失った人にとっては被災者と同等かそれ以上に大変だと言うことが分かりました。 次に困っていたのは買い物などへの移動の方法が少なく。バスも現在では有料になったのでとても高価だということ。その上バスは車いすでは利用できないそうです。買い物も震災直後は一家族一品という時もあって本当に大変だったそうです。 買い物に行くのが難しいのに支援物資はもらえないという問題があるそうで、このような人にも支援物資が提供できるようなシステムも必要だと感じました。大きな仮設住宅などでは足りていても必要な人はまだまだいます。

次に車で大船渡の津波で被害を受けた地域を見せていただきました。震災後には瓦礫と腐った魚の悪臭で大変だったという場所も、9ヶ月後の今では瓦礫は数カ所に集約され、悪臭もなくなっていました。盛岡から同行した友人が驚くほど整然と片付けられていましたが、他の海辺の街と同様に賑わっていたという湾の周囲の地域は店も住宅もすべて津波で失われて更地のようになっていたのがショックでした。(写真上)しかし仮設の店舗で営業を再開した店や屋台村も現れ、少しずつ前に歩き出しているのが分かりました。(写真左下)しかし、いくら瓦礫が片付けられても元の町並みはありません。まだまだ多くの支援が必要だということを実感しました。大船渡湾に沿って進んでいくと高台に上がる道になりました。高台の街はまったく津波の影響を受けないように見えました。住んでいた場所、その時いた場所が生死を分けたのだしょう。高台から見たきれいな海(写真右下)外海からこの湾に巨大津波が押し寄せたとは想像もできないほど静かでした。

最後に訪れたのは陸前高田の街。大船渡と同様、瓦礫の撤去は進んでいましたが、山積みにされた瓦礫の量に圧倒されました。そして「陸前高田は壊滅した」と言われているように本当に海から5kmほどのエリアには何もなくなっていました。元の町並みを知らなくても本当にショックでした。テレビで見た5階建てのマンションは、その建物のすべてを津波が飲み込んだのでしょう。住んでいた人のことを考えると言葉が出ませんでした。

きっと賑わっていただろうと思われる海沿いの道の駅。建物は残っているものの周りには何もなくなり駐車場だったと思われる場所には廃車になった車が積み重ねられていました。有名な「奇跡の一本松」は沿岸の何もなくなってしまった場所の瓦礫の向こう側に立っていました。塩でやられてきているというこの松を復興への象徴として何とか残したいと思いました。

海に沿った道から少し離れた方向に行くと、そこには瓦礫の山。これまで見てきた場所が更地に見えたのは瓦礫が集められていたからでした。その瓦礫の量には圧倒されるばかりでした。これが住宅だったり店だったり人の持ち物だったと考えると悲しくなりました。
帰りの新幹線に乗るために水沢江刺の駅に向かって車で走って行くと津波の被害を免れた街が現れました。このような街、きっともっと賑わいのある街が何もなくなってしまった湾岸地域あったのだと考えると津波の怖さと深い悲しみを感じました。さらに車を走らせると海から5km以上離れた場所にまた何もないエリアが現れました。海から離れていても気仙川沿いだったので津波に飲み込まれてしまったのでしょう。私の知人の会社もこの川沿いにあったと聞いています。どれほど恐ろしかっただろうと彼の顔が思い出されました。でも生きていてよかったです。彼はきっと陸前高田の復興を先頭に立って進めていくことでしょう。私もその支援ができたら嬉しい限りです。
今回の私の訪問に忙しい中つき合ってくださった皆様ありがとうございました。いくらテレビ等で見たり聞いたりしていても現地に来なければ分からない経験をさせていただきました。ぜひ何かお返しできるように頑張りたいと思います。

岩手県北上市と盛岡市で障害児と家族のためのセミナー

<2011年12月10,11日>
岩手県のNPO法人紫波さぷりから依頼をいただいて障害児と家族のためのセミナーを2つ開催しました。今年で3回目となるこのセミナーには多くの障害児・者のご家族と関係者が参加してくださっています。10日(土)は初開催となる北上市の総合福祉センターを会場にして午前中にシーティングと姿勢についての講義、午後には障害のあるお子さんにシーティング体験をしていただきました。ご家族もセミナー参加者の皆さんも姿勢の変化に驚かれていました。
11日(日)は会場を盛岡市のふれあいランド岩手に会場を移して同様のセミナーを開催。毎年足を運んでくださっている方や来年1月にセミナーが計画されている特別支援学校の先生もいらっしゃいました。このセミナーでもシーティング体験後のお子さんの姿勢の変化にみなさん驚かれていました。今回はシーティング体験希望者が少なかったのが残念でした。もっと多くの方に体験していただきたいです。
このように定期的にシーティングの講習を行うことでシーティングを理解する人は増え、シーティング体験をして姿勢を変えようという気持ちをもたれる方も多いので、とても良い取り組みだと思います。このような取り組みが全国で始まることを願っています。

 

岐阜県で初のシーティングセミナー

<2011年11月27日>
岐阜県で初めてのシーティングセミナーを各務原氏市の産業文化センターで開催しました。1993年3月に国立リハビリテーションセンターでシーティングセミナーを開催してから18年8ヶ月で全国39の都道府県でセミナーを開催。多くの県では何度もセミナーを開催していますが、岐阜県では初めてのセミナー、全国で40番目でした。たぶん岐阜の方々は隣の愛知県で何度も開催しているセミナーに参加されていたのだと思います。
今回の岐阜でのセミナーは、岐阜に本社のある車いすメーカーである(株)松永製作所の依頼によるものでした。このような車いすメーカーとのコラボレーションは今後も進めていきたいと思います。セミナーには障害児に関わっている病院・施設のセラピストの方々を中心に多くの皆様が集まってくださいました。午前中のシーティング体験には希望者が殺到。予定していた2名に加えて、4人のお子さんにシーティングを体験していただきました。6名の方のシーティングを、車いす評価からマット評価、採寸そして車いすの設定までステップ・バイ・ステップでお見せしましたが、それが最も勉強になったとの感想を多くの参加者の皆様(特にセラピスト)からいただきました。姿勢が改善されたお子さんの家族からはすぐにでも購入して使いたいと言っていただいて嬉しかったです。
この岐阜でのセミナー後、全国でシーティングセミナーをしていないのは群馬・福井・奈良・和歌山・徳島・長崎・熊本の7県だけになりました。これらの県の皆様、ぜひご依頼ください。

 

 

2011障害者ワークフェアで講演と展示

<2011年11月23日>
毎年アビリンピックと同時に開催される障害者ワークフェアでは、依頼を受けてシーティングの講演と展示をしてきましたが、今年はアビリンピックが世界大会のため国内大会は開催なし。しかし障害者ワークフェアだけを埼玉県のさいたまスーパーアリーナ(コミュニティアリーナ)で開催することになり、シーティングの講演をしました。
通常のシーティングセミナーの聴講者とは異なり、ワークフェアではシーティングのことを全く知らない人が大半、しかし障害者の就労に係わっている人たちや当事者の方たちなので、「車いすを快適な場所に ~フルタイムで学ぶ・働くための車いす~」と題して、一日中活動するために正しい姿勢が大切なこと、シーティングを活用すれば重度な障害の人でも疲れずに一日中活動することが可能なことをデモンストレーションとともに分かりやすく話しました。話が進むうちに聴講者の方たちがどんどん興味を持って聴いてくださっているのが分かり、嬉しかったです。
講演後には多くの方がブースに相談や体験においでになりました。その方たちにシーティングの車いすを合わせて設定して体験をしていただくと、姿勢の変化と快適さに驚き、喜んでいただきました。
車いす使用者で働いている方には、車いすで痛みを感じていたり一日中車いすで活動するのが辛いという方も少なくありませんでした。まだまだ車いすは移動の道具であり一日中快適に使用するのは無理だと考えている人が多いのを実感しました。私がお手伝いした多くの方たちのように一日中車いすで快適に活動したり、仕事をしたりすることは可能だということをこれからも色々な機会に伝えていきたいです。

 

 

第28回日本身体障害者水泳選手権大会

<2011年11月12~13日>
今年も日本選手権に出場してきました。今年の会場は福岡県の岡市立総合西市民プール。全国40の県から地区大会で標準記録を突破した403人が集まって2日間に渡って競い合いました。私は今年も東京の水泳チーム「トリトン」の一員として参加。個人種目2種目と2つのリレーに参加しました。
昨年5年ぶりに大会に復帰して良い結果が出せたため、今年は長距離で後半バテないように効率がよい泳ぎを目指して泳法改造に取り組みました。ところが私が超多忙になったり、GW直前に扁桃腺炎になって入院したりと、なかなか上手く進まず、泳法改造は中途半端な状態で大会を迎えてしまいました。以前のパワフルな泳ぎか今年取り組んできた効率のよい泳ぎ(未完成)で泳ぐか直前まで迷っていましたが、100mは効率のよい泳ぎ、50mはパワフルな泳ぎで挑むことを試合前のアップで決断しました。
最初の種目は100m平泳ぎ。効率のよい泳ぎで挑んだ結果は1位ではあるものの昨年より悪いタイムという結果でした。その後すぐに200mメドレーリレー(28pt)決勝。私は第2泳者として平泳ぎを泳ぎました。結果はタイム的には悪くなく、チームも三位に入ったのですが、視覚障害の泳者への引き継ぎにミスが出て失格となってしまいました。残念!
2日目は朝一に200mリレー(28pt)の予選。とても久しぶりに自由形のレースに出ましたが、いつも練習では平泳ぎよりも距離を泳いでいる自由形なのでリラックスして泳げました。結果は予選を突破して決勝へ。その後2時間ほどあけて個人種目の50m平泳ぎ。対戦相手の中に体つきも良い地元の若い選手がいました。案の定彼は良い泳ぎをして、スタートでは差を付けられ、20mまでは競っていました。何とかその後引き離し、ラストスパートで差を付けて勝つことができました。今回はパワフルな泳ぎがよかったようです。最後に200mリレー(28pt)の決勝に出場。結果は4位だったので惜しかったです。
今年の大会は自分の目標としていたタイムには両種目とも届かなかったのが残念でしたが、リレー2種目にも参加して大会を大いに楽しみました。水泳を再開してから体力と持久力が向上して、とても健康なので、これからも競泳を楽しんで続けていきたいと思います。

 

 

秋田県でシーティング研修会

<2011年10月27日>
秋田県では2009年と2010年に高齢者向けのシーティングセミナーを開催しました。2010年のセミナーに参加した秋田中通リハビリテーション病院のPTの先生から依頼をいただき、同院でシーティング研修会を開催することになりました。当院の研修会の基準で、研修会は午後1:30~3:00の90分と決まっていたのですが、セミナーの内容を検討している内に、せっかく秋田まで来てもらうのに90分だけではもったいないという結論に達し、夕方5:30~7:00に研修会の後半を行うことになりました。この結論は私にとってとても嬉しいものでした。多くの病院や施設が私を研修会に呼んで90分や2時間という枠で講演しますが、そのほとんどで「もっと聞きたかった」という感想をいただくのです。今回は、午後の研修会は看護師さんも含めた様々な職種のスタッフにシーティングの基本を「車いすやシーティングで何ができるか」ということをテーマにお話しし、夕方の研修ではセラピストの方々とリハビリに関わっている医師の皆様に対し、応用編・実践編としてシーティングの技術的なことを中心にお話ししました。実践編ではシーティングの評価を、車いす評価・マット評価・採寸・車いす設定・車いす評価・再調整、という流れでお見せしたのが好評でした。
研修会と研修会の間には、セミナーに参加したセラピストの方々と一緒にシーティング体験を希望されている方にシーティングを提供。皆さん姿勢の変化に驚かれていました。
今回のような基礎編と実践編に分けた研修会はとても効果的で、すぐに現場での実践に繋げられると思います。これからも多くの病院・施設でこのような研修会を提供していきたいです。
 

 

国際福祉機器展HCR2011

<2011年10月5-7日>
今年は例年よりも少し遅い10月5~7日に東京有明のビックサイトで国際福祉機器展(HCR2011)が開催されました。今年のテーマは「シーティングで変わるあなたの未来」。最近認知度がどんどん高まっているシーティングですが、まだシーティングを提供できる人はごく僅か。そこで今年のコンセプトを「シーティングを理解する三日間」として、車いすシーティングと姿勢に関わるセミナーを7つも提供しました。
ブースはアクティブ・障害児・高齢者・シーティング・褥瘡予防・スタンディング・電動車いすに分割して、話題の新開発車いすXenon(ジノン)、遂に日本発売の動的シーティング・システムのヒップグリップ、新コンセプトのポジショニング・ベルト・エボフレックス等の新製品からベストセラーの製品、補装具の完成用部品に認可させているシーティング製品、さらには介護レンタル対応の車いすとシーティング製品まで様々なニーズの方に対応する製品を展示し、体験していただきました。

今年は昨年ブースで提供した製品プレゼンテーションに替えてシーティングの評価ビデオや新製品のビデオ(ジノンやヒップグリップ等)を作成して上映しました。新製品のビデオも人気でしたが、私が障害者の方のシーティングの評価をステップ・バイ・ステップで進めながら解説したシーティング評価ビデオはとても好評で、足を止めてビデオをじっくりと観る方が多かったのに感激でした。(左下の写真)
スタンディング製品は今年も大人気で、試乗を希望される方が大勢来場されました。(左下の写真)スタンディング車いすではLEVOコンビやC3、イージースタンドでは子供用のスタンディングテーブルで立位・座位・仰臥位のとれるバンタムが人気でした。
新製品で人気だったのは超軽量の折りたたみ式手動車いすXenon(ジノン)。7005アルミニウムを焼き入れ加工したT6-7005アルミニウムによって軽量且つ強固なフレームが完成。固定車に引けをとらない機動性ながらコンパクトに折りたためるジノンの試乗希望者は後を絶ちませんでした。

今年のセミナーとワークショップは前述のように「シーティングを理解する三日間」というテーマで提供。初日には米国のPTでシーティング・スペシャリストのエイミーさんによる「車いすクッションのテクノロジーと間違わない製品の選び方」と私の「高齢者の床ずれ予防と自立支援のためのシーティング」。2日目には、エイミーさんの「車いすの最新技術とユーザーに合った製品の選び方」と私の「障害児・者の二次障害防止のためのシーティング」さらにはボディポイント社CEOディビッドさんによる「シーティングに不可欠なポジショニング・ベルトの活用」。最終日にはスイス・リーボ社のジョエル氏による「スタンディングとは?」そしてエイミーさんの「ヘッドサポートの基礎と製品の選び方」。どのセミナーも多くの方に参加いただいて嬉しかったです。きっとシーティングの理解が高まったでしょう。中にはすべてのセミナーに参加したPTの方もいらっしゃいました。感激です。私は自分のセミナー2つと3つのセミナーの通訳をしたのでヘトヘトになりました。高齢者向けのセミナーと障害児向けのセミナーは今年も超満員。立ち見スペースもないほどになってしまいました。セミナールームに入れなかった皆様申し訳ありませんでした。来年はもっと大きな部屋でご提供できたらと願っています。
今年もアクセスインターナショナルのブースは最も賑わっていたブースだったと言っても過言でないでしょう。日本中から来場していただいた皆様ありがとうございました。

 

 

NHKラジオ出演

<2011年10月6,7日>
NHK・ラジオ第1の「ラジオ深夜便・明日へのことば』から依頼をいただき、台風の中渋谷のNHKスタジオで収録しました。今回は「車椅子は生活の場」というテーマで、シーティングと私自身の経験についてお話ししました。収録した話は10月6日(木)と7日(金)の午前4時台に約40分ずつ放送されました。第1回では十数年前の米国での褥瘡手術後にシーティングと出会った話、正しい姿勢をとることの大切さ、諦めていたことが姿勢の改善で可能になるという話を実体験も含めてお話ししました。第2回では、米国でのリハビリで学んだこと、目的達成のためのリハビリ、シーティングによる姿勢保持の大切さ、どんなことが可能となるか、さらには障害者にも暮らしやすい町づくりについてもお話ししました。
実は「ラジオ深夜便」には6年前の2005年にも出演させていただきました。その頃は「ラジオ深夜便・こころの時代」という番組で、1日目には私自身の米国での体験を中心に日米のリハビリや身障者に対する考え方の違いについて。2日目には日本に帰国してからの様々な活動についてお話ししました。シーティングやユニバーサルデザインについても少しお話しししました。
さらにその8年前の1997年の8月にも同番組に出演させていただきました。当時は、バルセロナパラリンピックの選手を経て、日本初の身障者のためのスポーツ情報雑誌だった「アクティブジャパン」の編集長をしていた時で、一般的に全く知られていなかった身障者スポーツがやっと認知され始めたころだったので、身障者の自立とスポーツについてお話ししたように記憶しています。その放送の4年後の2001年には、再放送もしていただきました。今回3度目となる出演をさせていただき、最近の活動を中心にお話しすることができてとても嬉しかったです。
放送は、午前4時台という、朝とても早い時間でしたが、大勢の方に聴いていただいたようで、私の会社には多くの電話をいただきました。当日私は国際福祉機器展のために東京ビックサイトで展示とセミナー講師をしていましたが、ブースを訪ねてくださった視聴者の方も多数いらして感激でした。番組を聴いてくださった皆様ありがとうございました。
写真は収録後に番組のパーソナリティの河村陽子さんと撮った記念写真です。

 

 

国立病院機構中国四国ブロック・スキルアップ研修会

<2011年8月5日>
岡山医療センターの先生から依頼を受けて、南岡山医療センターで開催された「平成23年度国立病院機構中国四国ブロック内理学療法士・作業療法士・看護師スキルアップ研修会」の講師を務めさせていただきました。当日は中国四国地方のすべての県からPT,OT,看護師が参加。シーティングについて初めて話を聴く方も多く、丸一日の研修会でしたが、皆さんとても熱心に勉強してくださいました。
午前中の講義では、①車いすとシーティングの基礎、②シーティングの目的設定、骨盤の傾きと姿勢の関係(1)として③骨盤の後傾による問題と改善についてお話ししました。午後からは講義の続きとして、骨盤の傾きと姿勢の関係(2)④骨盤の傾きによる問題と改善、⑤拘縮と関節可動域の制限への対応、⑥二次サポート(ヘッドサポートとポジショニングベルト)の活用、⑦シーティングの順序についてお話ししました。長時間の講義なのに皆さんとても熱心に最後まで聴いてくださって嬉しかったです。
最後に⑨シーティングの実践・実演として患者さんを1名モニターになっていただいて車いす評価・マット評価(臥位,座位)・車いす調整・姿勢と機能性の確認という形でシーティングを提供する際の手順をお見せしました。モニターの患者さんが、骨盤を後に倒して寝たようなかなりひどいずり落ち座りで、背面にも大きな変形があり、大きな座位保持装置を付けたリクライニング式の車いすに乗っていたので、かなり大変な症例に見えました。しかし評価してみると骨盤に可動性が残されていたので、起こして姿勢を改善することができました。背中の変形もバックサポートをカスタマイズすることで対応可能でした。。
参加者の皆さんはモニターの患者さんの姿勢の劇的な変化にとても驚いていました。付き添われていたお母さんからも「こんなに身体を起こせたことはない」「こんなにコンパクトな車いすでいいんですか」と喜びの感想をいただきました。長い講習の最後に嬉しい言葉をいただき疲れも吹っ飛びました。このような感動が中国四国地方の多くの病院に広がることを願っています。

 

 

京都府でパーキングパーミットとUDの講演

<2011年7月28日>
私が5年前に佐賀県のユニバーサルデザイン推進委員として佐賀県に企画提案して導入された日本初のパーキングパーミット制度が京都府でスタートすることになり、その説明会で企画提案者として講演をしてほしいという依頼をいただき、京都に行って講演してきました。京都府は全国で20番目の導入県となりました。同県の制度は「京都おもいやり駐車場利用証制度」と呼ばれます。
講演では、パーキングパーミットを私が佐賀県で提案した思いから、制度の意義、佐賀県での5年間の状況、未来に向けてのパーキングパーミット制度のあり方、についてお話ししました。その後、このパーキングパーミット制度もユニバーサルな考えで開発したので、私のユニバーサルデザインのまちづくり、環境づくり、観光のためのユニバーサルデザインなどについてお話ししました。
講演の後に京都のパーキングパーミット導入に関わった皆様から「もっと早く山崎さんを呼んでおくべきだった。話を聞いておくべきだった」と言っていただき、嬉しかったのですが、ちょっと京都の制度が心配になりました。しかし佐賀県でも利用者の声を聞いて制度を変更したり追加したりしたので、京都府も利用者の声を聞いて良い制度にしていってほしいと担当の方々に伝えました。
全国の未導入の県の皆様、制度について検討する際にはぜひ声をかけてください。喜んでお手伝いします。

 

 

法政大学で特別講義と車いす体験

<2011年7月1日>
毎年ご依頼いただいている法政大学の三ツ谷先生から今年も依頼いただいて多摩キャンパスに行き、スポーツに関わっている学生たちに向けて特別講義と車いす体験を提供してきました。その第一回となる講義はSSI スポーツイベント論の特別講義で、スポーツの選手として活躍している学生や将来スポーツ関係の仕事に就くことを目指している学生たちに、障害者や障害者スポーツのこと、そして超高齢社会に向けて不可欠なスポーツ施設のユニバーサルデザイン化について「車いす使用者の視線からスポーツ施設を考える~すべての人が使いやすい施設とは~」と題してお話ししました。これまでにあまり障害者のことは考えたことがなかっただろう元気なスポーツ関係の学生たちでしたが、講義が進むにつれてどんどん興味を持ってくれたのが嬉しかったです。

 

その後、三ツ谷ゼミの学生たちに車いすに乗ってもらって車いす体験をしました。2人1組で7台の車いすを使って多摩キャンパスの現代福祉学部棟から大教室B棟、図書館・研究棟、総合棟までの道のりを往復。学生たちは、慣れない車いすで歩道の段差にタイヤをひっかけたり、転倒してしまう場面もありました。車いすに乗っていない時は介助者として段差を挙がるための介助などを経験してもらいました。

 

「タイヤがパンクした時はどうするのか」「車椅子に乗りながらドアをスムーズに開閉する方法とは」といった質問に答えながら、健常者では気付きにくい歩道の傾斜や段差の多さ、エレベーターの使い勝手や自動販売機のボタンの位置の重要性などを体験してもらいました。
授業の後は三ツ谷先生とゼミ生たちとキャンパスの近くにあるうどん屋で食事会。スポーツに関わっている学生たちなので楽しい話題で盛り上がりました。

 

 

特別支援学校と家族の依頼で多くの障害児セミナーを開催

<2011年6月5,10日,7月14,29日,8月2,29日>
近年、夏休みには特別支援学校から職員研修会としてシーティングを勉強したいという依頼を多くいただくようになりました。障害を持ったお子さんと毎日関わる先生方に姿勢やシーティングについて知っていただくことで、お子さん達に素晴らしい環境が提供されます。車いすへの乗せ降ろしの際に姿勢が崩れないことで一日中身体に害のない姿勢が提供されます。毎日の積み重ねは大きな違いとなってお子さんの二次障害を予防し、残存機能の発揮に繋がるはずです。また、障害を持ったお子さんの家族やPTAからもシーティングセミナーの依頼を多くいただいています。なぜ変形をはじめとした二次障害が生じるかをご家族に知っていただくことで、ちょっとした悪い姿勢に気づいて直すようになり、二次障害の防止が可能になり、残存機能を最大限に発揮するための姿勢保持が可能になります。

 

今年の夏は、6月5日に小田原で障害児の家族の主催で開催されたセミナーをかわきりに、6月10日に愛知県の小牧養護学校PTA依頼によるセミナー、7月14日には東京の城北特別支援学校PTA依頼によるセミナー、7月29日には多摩桜ノ丘学園での職員研修会、8月2日には埼玉県の川島ひばりヶ丘特別支援学校での職員研修会、そして8月29日には東京の墨東特別支援学校での職員研修会。障害児の家族から学校の先生まで、多くの皆様に姿勢について知っていただき、シーティングによる姿勢保持の重要性を理解していただけてとても嬉しかったです。

 

墨東養護学校での研修会は、前年の11月に当校で開催された東京都肢体不自由児特別支援学校PTA連合会の「22年度保護者研修会講習会」での「かりやすいシーティング講座」をお聴きになった校長先生の依頼によるものでした。姿勢とシーティングについて、ご家族に理解していただき、それに加えて学校の先生方にも理解して実践していただけるのは理想的な形だと思います。これからもこのような依頼が増えることを楽しみにしています。

 

北海道札幌市で障害児セミナー

<2011年5月28,29日>
シーティングセミナーとしては3年ぶり、障害児向けのセミナーとしては10年ぶりとなるセミナーを札幌で開催しました。会場は札幌駅近くの「かでる2・7」です。今回のセミナーは我々の北海道の代理店の依頼で、午前中にセミナー講義、午後から障害児・者の自立に関する講演、そしてその後に希望者に対するシーティング体験という三部構成になりました。さらに翌日は同施設の少し小さめの部屋を使用してシーティング体験を提供しました。
セミナー当日は100人近い参加者の皆様が集まってくださいました。大半はPTとOTの方々、そして養護学校の先生、施設・病院関係者、代理店社員、そして障害児・者の家族とご本人でした。午前中は2時間半をかけてシーティングについてお話ししました。重力と姿勢の関係、二次障害の問題、骨盤と姿勢の関係、崩れた姿勢の改善による問題(側弯・円背等)の解決方法、筋緊張への対応、ポジショニングベルトと頭部サポートの活用などについて症例を使ったりデモンストレーションをしたりしてお話ししました。長時間であるにもかかわらず皆さんとても熱心に聴いてくださって嬉しかったです。

昼食を挟んで午後からは「障害児の社会的自立について」というテーマで講演会。まずはゲストとしてお招きした重度の頚髄損傷である北海道大学大学院の村松哲夫先生による「四肢麻痺:マイナスからの再出発 ~ツール・デバイスの可能性を考える~」という講演。パソコンを駆使して活躍されている村松先生の体験や研究から重度障害者がパソコンを活用して自立できることについて話していただきました。
次に私が「SKY IS THE LIMIT ~可能性は自分次第~」というタイトルで自分の障害と病気(脊髄損傷,脳挫傷,褥瘡の頻発,膀胱癌,右腎臓摘出)と自分の人生について仕事とスポーツの面からお話ししました。
その後10分間の休憩を挟んで、モニターを希望された障害のあるお子さんに実際にシーティングを提供し、シーティングを体験していただくとともに、聴講者のみなさんにシーティングの手順と姿勢の改善を見ていただきました。その一環としてマット評価の臥位評価と座位評価をお見せしたのでセラピストの方には分かり易かったようです。セミナー後には多くの参加者の皆さんから質問や依頼を受けました。久しぶりの北海道でのセミナーで大きな反響をいただけて嬉しかったです。

翌日のシーティング体験は、当初申込者が2~3人だったのですが、セミナーを聴いていただいた後には10人ものシーティング体験希望者の方が集まってくださいました。嬉しい悲鳴をあげながら一人ずつシーティングの評価をしてシーティング体験をしていただきました。体験したお子さんは全員姿勢が改善され、ご家族はその変化に驚くと共にとても喜んでいただきました。傾いたり前に倒れた姿勢が改善されたお子さん、筋緊張が緩和されたお子さん、胸ベルトなしですいすいと車いすが漕げたお子さん、提供している我々も変化とご家族の反応が嬉しかったです。まだまだシーティングの普及が遅れている北海道ですが、今回の札幌でのセミナーを機に北海道にシーティングを広めて、多くの車いす使用者の方々の姿勢を改善し、二次障害を防止すると共に機能性を向上して、元気に生活できる障害児・者を増やして行きたいです。

 

 

香川県高松市で障害児セミナー

<2011年5月21日>
私の会社の代理店であるワークセンター香川の協力を得て、香川県高松市で久しぶりに障害児セミナーを開催しました。最近の障害児セミナーは障害児・者の家族が中心となることが多いのですが、今回の参加者はほとんどが病院・リハビリテーションセンター・療育センターのPT,OTの方々でした。このように多くのセラピストの方にシーティングに興味を持っていただくことも、とても嬉しいことです。香川県だけでなく、愛媛県や徳島県からも参加してくださいました。
セミナーでは、午前10:00から12:30まで姿勢とシーティングについてお話ししました。重力と姿勢の関係から、二次障害の問題、崩れた姿勢の改善による問題と解決方法について、症例を使ったりデモンストレーションをしたりしてお話ししました。皆さんとても熱心に聴いてくださって嬉しかったです。昼食を挟んで午後にはモニターを希望された障害のあるお子さん2人に実際にシーティングを提供し、シーティングを体験していただくとともに、聴講者のみなさんにシーティングの手順と姿勢の改善を見ていただきました。その一環としてマット評価の臥位評価と座位評価をお見せしたのでセラピストの方には分かり易かったようです。
体験したお子さんは3人とも姿勢が改善されてとても喜んでいただけたのですが、2人目の自走のできるお子さんが、崩れた姿勢から良い姿勢になったら、とても喜んで走り回り、我々がセミナー終了後に後片付けをするまで車いすから降りようとしなかったのが印象的でした。お母さんは「絶対買ってあげるから」と約束をして、やっと元の車いすに娘さんが戻って帰って行かれました。
セミナー後には多くの参加者の方々が残って、シーティングの製品を自分達で試したり、私や社員に設定や調整の細かい説明を求めたり、担当している患者さんについての質問をしたり、皆さんとても熱心で嬉しかったです。今回のセミナーを機に香川県、愛媛県、徳島県のシーティングが広がって、多くの車いす使用者の方の姿勢が改善され、二次障害を防止すると共に機能性が向上することを願っています。

 

ISS2011・第27回 国際シーティング・シンポジウム

<2011年3月3-5日>
今年も国際シーティング・シンポジウム(ISS)に参加して勉強してきました。今年の開催地は米国テネシー州のナッシュビル。この地が開催地に選ばれたのはシーティングの黎明期から関わっていたのがテネシー州の首都にあるメンフィス大学だからです。会場となったのは有名なホテルであるゲイロード・オプリィ・リゾート。巨大なホテルに多くのセミナー会場と展示場が完備されていました。素晴らしい施設でしたが、広すぎて移動が大変でした。
今年のISSには世界31ヵ国から1700人以上のセラピスト、医療・リハビリ関係者、車いす・シーティング業社が集まりました。私が最初に参加した12年前のISS比べると参加国も参加者数も何倍にもなりました。

 

今年はプレ・シンポジウムには参加しませんでしたが本シンポジウムの3日間、みっちりと最新の知識と技術を学んできました。初日は朝8時30分からオープニング・セッション。今年の講演は長年障害者の社会参加に尽力してきたアル・コンデルーチ氏。これまでの成果と今後の課題について話していただきました。引き続きペーパーセッションがありましたが、私の興味のある分野ではなかったので、この時間を使ってボディポイント社の新製品であるヒップ・グリップの製品トレーニングを受けました。多くの障害児・者に様々な可能性を提供できる素晴らしい製品でした。今年日本で発売予定です。

 

午後からは有名なPTであるジーン・ミンケルさんのフィジカル・アセスメントの2時間コースを受講しました。シーティングに不可欠な評価について詳しく話していただき、後半には実技として全員が床の上でマット評価を行いました。その後3時からスタンディングのコース、4時45分からは座圧分布測定についてのコースを受講しました。6時からはレセプションが展示会場で行われたので、取引先と話したり新製品の説明を受けたりしました。
2日目は、8時30分から車いす評価のコースを受講。講師の一人は日本にも招いたことのあるOTのブレンリーさんでした。9時15分から受講したのは「脊髄損傷者のための姿勢保持」のコース。脊損に特化したコースでしたが、とても有益な情報が多く、すぐに使える技術も多かったです。10時45分からは「diagnosis(診断)」のコース。これは障害や状態を見てそれをどのように診断(判断)して姿勢保持や機器の選択・調整に繋げるかというコースでした。昼食時には展示会場でまた新製品について勉強。新しい取引先も見つけました。

 

午後1時からは最も尊敬するOTの1人であるシーラさんによるシーティングのコース。彼女が昨年出版した本の内容を中心に話してくださいました。その後3時半からはプラクティス・フォーラムがありましたが、内容が昨年講義を受けたものと類似していたので、この時間を使って新しく見つけた取引先と契約の交渉、そして商品の説明を受けました。まだ発表はできませんが、素晴らしい製品なので日本へ紹介するのが楽しみです。
その日の晩にはISSのパーティが開かれました。毎年工夫を凝らして提供されるパーティですが、今年はカントリーミュージックの聖地と言われるナッシュビルでも最も有名なカントリーミュージックのバー&レストラン「ナッシュビル・パレス」で開催。普段はシーティングをしているセラピストや医療・リハビリ関係者、そして車いすやシーティング業社のスタッフが飲んで踊って大いに楽しんでいました。我々は、途中でパーティを抜け出し、ホテルの中にあるテネシー州産の有名なバーボン・ウィスキー「ジャック・ダニエルズ」の店に行き、ボストンのPT達と合流、様々な種類のバーボンを味わいました。こんなに美味しいバーボンは初めてでした。

 

ISS最終日は、朝8時30分から「支援技術」のコース、9時45分から「頭部保持」のコースを受講しました。これで講義は終了。集中してシーティングの勉強をすることができ、とても有意義な3日間でした。11時からクロージング・セッション(閉会式)が行われました。今年の講演者は米国を代表するテレビ局ABCの人気番組「Good Morning America」のライター兼編集者であるリー・ウッドロフさん。彼女の旦那さんでABCニュースののアンカーパーソンだったボブさんがイラクで取材中に爆弾で脳外傷を負ったことから、その看病と旦那さんの社会復帰、そして脳外傷に対する理解を深めるための活動について話してくださいました。とても感動的な話でしたが、講演後の質疑応答時に私の横に座っていた車いす会社で働く青年が立ち上がり、自分が子供の頃から父親が脳外傷だったために受けた経験とリーさんの子供さん達の経験が重なって感動した。脳外傷の理解を深める活動をしてくれてありがとう、と涙ながらに話しました。会場から大きな拍手が起こりました。

 

ISSに参加することのもうひとつの喜びは多くの友人のセラピストと再会ができることです。今回印象に残ったのは、私のシーティングの恩師であり、1993年からの3年間と1997年に日本へシーティングを普及するために計26回のセミナーを私と一緒にしてくださったPTのジョーンさん(写真左)、やはり私のシーティングの先生であり、日本にもお招きしたこともあるシャロンさんやブレンリーさん。今回も彼女たちの講習に参加させていただきましたが、レベルの高いシーティング・スペシャリストの方達からお話を伺うのはいつもとても有益です。TiLIte社の副社長で大分マラソン等で活躍した往年のスーパーアスリートのマーティさん(写真中央)、そして今回十数年ぶりに再会したマリーさん(写真右)。彼女は米国で一番最初に軽量車いすを開発した会社の創立者で、アメリカのバリアフリーに関する法律の制定にも尽力された方です。このような友人との再会は本当に嬉しいです。

 

ISSに参加して毎回感じるのは、世界中のこれだけ多くの人達が私と同じ考え方でシーティングを提供しているということです。日本だと、まだ我々の提供しているシーティングの考え方や技術を理解しない人も多いのですが、世界31ヵ国以上、参加している人だけで1700人以上の人が同じ考え方でシーティングを提供しているということが再確認できるのは本当に嬉しいことです。使用する製品に違いはあっても世界的に標準となっているシーティングの考え方と技術は同じです。日本にもシーティングのグローバル・スタンダード定着することを心から望んでいます。

 

Japan Timesにインタビュー記事が掲載

<2011年1月1日>
昨年末から英語でインタビューされていたJapan Times(英字新聞)の記事が2011年元旦の紙面に掲載されました。半面以上のスペースを割いて掲載していただいたとても長い記事です。
記事は、私が脊髄損傷となった事故からリハビリ、復学、大学卒業、帰国についての文章で始まります。そして帰国した日本で見た先進国とは思えない低レベルの福祉機器に唖然としたこと。それがきっかけとなってアクセスインターナショナルを創業したこと。最初の数年はほとんどの病院から門前払いをされたこと。高性能・高機能な車いすの必要性を訴えてセミナーや講習会を開催し、日本の車いす市場が変わるきっかけを作ったこと。1993年から全国でセミナーをして普及活動を開始した「シーティング」に関しては、日本のパイオニアとなり、リーディング・カンパニーとして常に最新の情報と技術を提供し続けていること。日本中から姿勢の悩みを抱えている車いす使用者の方々が東京の本社まで尋ねて来られること。自分が苦労した褥瘡の経験から褥瘡予防・再発防止についても最先端の知識と技術で多くの車いす使用者を助けていること。10年後には今の2倍以上の人数の介護関係者が必要だと言われているが、シーティングによる姿勢の改善と自立度の向上でそれを変えることができるという私の自論。さらには帰国後からずっと続けているバリアフリーとユニバーサルデザインの活動。佐賀県で私の提案によって始まったパーキングパーミット制度をはじめとする活動についても書いていただきました。
記事の最後には50歳を過ぎても競泳やスキューバダイビングなどのスポーツを楽しんでいることも書いてくださいました。記事は「In Japan, different is bad. I’m telling people, Different is not bad, it’s just different.」という言葉で締めくくられています。「日本では人と違うことは悪いと考えられているけれど、違うことは悪いことじゃない。特別なだけ。」という意味です。
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