2013年メッセージと活動

シーティング講演の要旨が「順天堂醫事雑誌」に掲載

<2013年12月27日>
順天堂大学医学部整形外科教室からご依頼いただいて4月10日に医局会で講演した内容の要旨(abstract)が「順天堂醫事雑誌」に掲載されました。講演内容を規定の(英文)500word以内、(和文)800字以内にまとめるのは大変でしたが、歴史ある「順天堂醫事雑誌」に掲載していただいてとても光栄です。
タイトルは「車いす使用者の自立支援と介護軽減に不可欠な車いすシーティング」(Utilize Wheelchair Seating to Promote Independence and Prevent Secondary Conditions of Wheelchair Users)。内容は車いすシーティングの基本的な考え方ですが、多くの医療関係者に知っていただいてシーティングの普及・活用に繋がれば嬉しい限りです。

佐賀県で初めてのシーティング研修会

<2013年12月12日>
佐賀県在宅生活サポートセンターに於いて佐賀県初のシーティング研修会が開催されました。新しく建築する在宅生活サポートセンターではシーティング・クリニックをスタートすることが決定しています。その目標に向けて佐賀県作業療法士会の協力を得て、佐賀県のセラピストや障害者・高齢者関係者に向けてシーティングの普及・啓蒙活動をスタート。その第一弾が今回の研修会でした。
当日はセラピストを中心に現場で活躍している方々が集まってくださいました。向上心があり意欲的に取り組もうとする方ばかりで、とても充実した研修会を開催することができました。今回は2時間という限られた時間だったので、シーティングでどんなことが可能になるかを中心にお話しました。来年2月19日にはシーティング研修会・第二弾の応用編が決定しました。これからの佐賀県が楽しみです。

 

「シーティングで自立支援と介護軽減を実現する議員連盟」第2回勉強会

<2013年11月19日>
1ヶ月前の10月29日に設立総会を行った「シーティングで自立支援と介護軽減を実現する議員連盟」の第2回勉強会が自民党本部で開催されました。シーティングをもっと日本に普及させて自立支援と介護軽減に活用すべきだと考えてくださる衆参両議員の先生方に加え、厚労省と総務省からも関係者が参加してくださいました。
高橋比奈子議員の司会で、会長の野田聖子先生のお話に次いで私が「日本にシーティングを普及させるために」と題して講演。現状と障壁について説明し、提言を発表しました。今回も参加された議員の皆様から賛同と協力的な提案をいただいて感激でした。医師会との提携についても提案をいただきました。日本でのシーティングの普及と活用に向けて山が動き始めていることを実感。さらに前に進んで行きます!

岩手シーティングセミナー

<2013年11月3日>
岩手県のNPO法人紫波さぷりから依頼をいただいて盛岡市でセラピスト向けのシーティングセミナーを提供しました。毎年この時期に依頼していただいていて今年で五回目になりました。これまでのテーマは障害児でしたが、今年は成人障害者と高齢者関係者について話しました。午前中にシーティングと姿勢についての講義、午後の講習では実際に姿勢の問題を抱えている障害者2名について、姿勢の評価から車椅子とシーティングの提供・調整までを実演しました。姿勢の変化にご家族は驚き、喜んでいました。何度も参加していただいている人も多く、岩手にシーティングが広がっているのが実感できました。

秋田中通リハビリテーション病院でシーティング研修会

<2013年10月31日>
今年も秋田県の中通リハビリテーション病院から依頼をいただいてシーティング研修会を提供しました。この研修会も今年で三年目になったので今回はマット評価を中心にシーティング評価の実践的な研修を午後と夕方に二回提供しました。セラピストをグループ分けして患者と評価者になって姿勢とシーティングの評価を行う研修は実践的でセラピストに大好評でした。参加者のレベルの向上が実感できて嬉しかったです。
研修の間には患者様2人の姿勢の評価を行ってシーティングのアドバイスを提供しました。患者様ご本人とお母さんにはとても喜んでいただきましたが、評価を担当のセラピストと一緒に行ったので、研修会よりも勉強になったと喜んでいました。来年は患者様のシーティングを実際に行う研修ができたらと考えています。

 

「シーティングで自立支援と介護軽減を実現する議員連盟」設立総会

<2013年10月29日>
シーティングの考え方に賛同して、シーティングをもっと日本に普及させて自立支援と介護軽減に活用すべきだと考えてくださる衆議院議員の先生によって「シーティングで自立支援と介護軽減を実現する議員連盟」が設立され、自民党本部で議員連盟の設立総会が開催されました。設立総会に参加してくださったのは呼びかけ人であり会長になってくださった野田聖子先生と岩手県でシーティングの普及に協力してくださった高橋ひな子先生、医師の資格を持つ議員の先生を中心に約十数名でしたが、議員連盟には参加議員は参議院と衆議院合わせて30名位以上になりました。
私がシーティングについて講演させていただきましたが、大好評で「シーティングで日本の障害者と高齢者を変えよう」と大いに盛り上がりました。世界中で活用されている世界標準のシーティングを日本に普及させて、車いす使用者が快適に長時間車いすを使用できるようになり、自立を支援して修学・就労そして様々な活動に繋げる、という長年の夢にまた一歩前進できました。ここからがスタート!楽しみです。

 

日本リハビリテーション看護学会学術大会で講演

<2013年10月26日>
幕張メッセ国際会議場で開催された日本リハビリテーション看護学会学術大会のランチョンセミナーでシーティングについて講演しました。タイトルは「車いすの可能性!シーティングで変わる車いす使用者の未来」。当日は180名もの看護師さんが集まって熱心に聴いてくださって感激でした。シーティングについて初めて聴く看護師さんも多かったのに反響はとても大きく、講演後に多くの依頼をいただきました。
リハビリに関わる看護師さんには車いすとシーティングの可能性を知っていただき、車いすを患者運版の道具以上に活用して、姿勢の改善、痛みの緩和、褥瘡予防・再発防止、離床時間の延長、自立支援と介護軽減に役立てていただきたいと願っています。

 

 

東京の桐ヶ丘特別支援学校でシーティングセミナー

<2013年9月11日>
東京の桐ヶ丘特別支援学校で教職員向けのシーティング研修会を開催。桐ヶ丘特別支援学校は私が1997年に初めて養護学校でシーティングの講演をした思い出のある学校です。教職員が入れ替わるとシーティング研修会を依頼してくださったり、PTAが講習会を開催してくださったりとシーティングにはとても熱心な学校です。今回は久しぶりの教職員向け研修会。初めてシーティングについて知った方もいましたが、皆さんとても熱心で、終了後には質問や依頼を多く頂き、シーティングによる生徒たちの姿勢の改善について遅くまで語り合いました。生徒のために桐ヶ丘のような特別支援学校がもっと増えてほしいです。

 

 

欧米で活躍するセラピストによる中上級者向けシーティングセミナー

<2013年9月7-8日>
欧州と北米を中心にシーティング臨床スペシャリストとして活躍している理学療法士バート・バンダ―ハイデン氏を招いて東京と名古屋でセラピスト対象の中上級者向けシーティングセミナーを開催しました。私は通訳兼コーディネーターを務めました。今回のテーマは「シーティングに於ける二次サポートの適切な評価と処方」。一次サポートであるクッションとバックサポートについては熟知しているセラピストに車椅子シーティングで必要となる二次サポートの活用について講義と実演をしていただきました。

 

東京も名古屋もセミナーは満員。中上級者向けなので、参加者はすでにシーティングを活用しているセラピストの方々でしたが、バイオメカニクスや動的シーティングを盛り込んだ新しい切り口のセミナーは大好評でした。技術的にも背面サポートや頭部サポート設定時のテクニックや車いす使用者のマット評価についても新しい評価方を教えていただきました。

 

最後に二次サポートと呼ばれる様々なポジショニングベルトの活用方法も学びました。骨盤ベルト各種、体幹ベルト各種、足部保持ベルト。姿勢の傾向によるベルトの使い分けにも参加者は感動していました。バートさんの知識は膨大なものなので次回はもっと長時間のセミナーを開催したいと思いました。セミナー後に通訳を褒めていただいて嬉しかったです。

長野県でセラピスト向けのシーティング研修会

<2013年7月21日>
長野県理学療法士会から依頼いただいて第25回市民公開研修会という形でシーティングセミナーを開催しました。長野県では10年振りとなるシーティング研修会です。当日は長野県各地の病院や施設から120名以上のPTや医療関係者が集まってくださいました。朝9:30から午後3:00までの4時間半の研修では、姿勢保持の基本、二次障害の防止、車いすの考え方、シーティングによる骨盤の傾きの改善。褥瘡予防と再発防止、そして重度障害者への対応について話しました。長時間でしたが皆さんとても熱心に聴いていてくださいました。研修会の最後にはシーティング評価について説明した後、実際に障害児のシーティングを実演しました研修会の後には多くの依頼をいただきました。長野でまたシーティングが再燃する予感がして嬉しいです。

JIA杉並地域会の土曜学校でユニバーサルデザインの講演

<2013年7月27日>
日本建築家協会(JIA)のメンバーで東京杉並区在住の建築家の会・JIA杉並地域会にご依頼いただいて、定例の勉強会である「土曜学校」で「ユニバーサルデザインのまちづくり」について講演しました。活躍されている建築家でもバリアフリーやユニバーサルデザインそして障害者については、伝えなければ知らないことも多いのだと実感。講演は好評だったので参加者の皆様の今後の設計に変化が生まれることを期待しています。

順天堂大学整形外科学講座の非常勤講師に就任

<2013年7月19日>
7月1日付けで順天堂大学整形外科学講座の非常勤講師に就任しました。
順天堂大学では今年4月に整形外科の医局会でシーティングの講演をさせていただいたり順天堂医院や関連病院で患者様のシーティングを手伝ったりしていましたが、理事長と教授から声をかけていただき、5月に履歴書や業績等目録等の申請書類を提出して待っていました。今日通知書が届き、非常勤講師に正式に任命していただきました。専攻は車いすとシーティングです。講演や講義に加え、臨床や研究の面でも協力させていただきたいです。順天堂大学の協力を得て、我が国へのシーティングの普及をさらに加速させて参ります。

 

雑誌「ユニバーサルデザイン」にパーキングパーミットの記事

<2013年7月10日>
現在発売中の雑誌「ユニバーサルデザイン34健康都市デザイン」にパーキングパーミット制度に関する私のインタビュー記事が載りました。私が佐賀県で企画提案し、スタートしてから全国30県に拡がるまでの6年間と課題について話しました。細かく原稿をチェックしたのでパーキングパーミットについて理解するためにとても良い内容になっています。パーキングパーミット導入県、そして導入を考えている県の関係者の方にはぜひご覧いただきたいです。

 

東京でセラピスト向けのシーティングセミナー

<2013年7月7日>
東京でセラピスト対象のシーティングセミナーを開催しました。定員はすぐに満員になってしまったので参加できなかった方のために近い将来また開催したいと思います。セミナーのテーマは障害児のシーティングでしたが、高齢者関連のセラピストが半数以上も参加してくださったので、両方をカバーする内容でお話ししました。3時間半の講義も皆さんとても熱心に聴いてくださいました。初めて参加した方々からは、ぜひ自分の務めている病院にシーティングを導入したいとの依頼をいただいて嬉しかったです。
セミナーの最後に障害児のシーティング実演。姿勢が見違えるように変化したので、ご家族は喜び、参加者は感心していました。このようなシーティングを提供できる人をどんどん育てて行きたいです。

 

法政大学で「スポーツとまちづくり」の講演

<2013年6月14日>
法政大学スポーツ健康学部から毎年ご依頼いただいている特別講義のために法政大学多摩キャンパスに行って、スポーツ健康学部の学生に「スポーツとまちづくり」の講演をしました。障害者,障害者スポーツ,道具の活用、バリアフリー,ユニバーサルデザインのまちづくりなどについて話しました。ご依頼いただいた教授によると、学生たちがいつもより真剣に聴いていてノートもとっていたそうです。講演後にいただいた感想文の字数も多くて興味を持ってくれたことが実感できて嬉しかったです。

獨協大学病院シーティング勉強会

<2013年4月22日, 5月17日>
栃木県の獨協医科大学病院でセラピスト向けのシーティング勉強会を開催しました。以前東京のセミナーに参加してくださった理学療法士とWOCナースのお二人が中心となって開催してくださいました。仕事の後にも関わらず参加者の皆様はとても熱心で、2時間のセミナー終了後、1時間以上も車いすやシーティングを試したり、たくさんの質問をいただいて答えました。
大好評だったシーティング第1回の勉強会に続き、1ヶ月後に第2回の勉強会を開催しました。二回目はシーティングの実技講習として前半が褥瘡予防と再発防止、後半は実践講習を提供しました。セラピスト同士で姿勢の評価を行ったり、実際に褥瘡で悩んでいる患者様のシーティングをセラピストの方と一緒に評価から提供・調整まで行いました。栃木県では獨協医科大学病院がシーティングの中心となって行くでしょう。

 

キッズフェスタ2013

<2013年4月21日>
今年も障害児とその家族のための福祉用具展であるキッズフェスタ、正式名称「キッズフェスタ アンダー18・第12回こどもの福祉用具展2013に参加しました。今年もTRC東京流通センターの展示場を会場として開催されました。  今年もアクセスインターナショナルとしてブースを出展し、新しい車いす、シーティング用の製品、シーティング付きバギー、スタンディング製品、様々なポジショニング・ベルト類や頭部サポート製品、そしてコミュニケーション機器やコンピュータを操作するための機器、環境制御装置などを展示し、多くの方に体験していただきました。大勢来場していただきました。両日とも、ブースは大盛況で嬉しかったです。

昨年たいへん好評だったシーティング体験を今年も行いましたが、私を含めた4人のスタッフで別々に対応しても一日中絶える間がないほど多くの方に来場していただきました。シーティング体験後は、皆さん姿勢の変化にとても驚き、喜んでいただきました。昨年のキッズフェスタでシーティングを初体験して、既にシーティングを使用されている方も多く来場していただきました。そのような方にはシーティングの再調節を提供したり、パソコンやコミュニケーション機器を体験していただいたり、立てない方を立ち上がらせることのできるスタンディング機器を試していただきました。できなかったことが、姿勢の改善によってできるようになり、可能性が広がっていくのを一緒に実感させていただけるのはとても嬉しいです。今後もこのような感動をもっと多くの皆様に体験していただきたいです。  シーティング体験はいつでも受付いますので、お気軽にお問い合わせください。メールでのお申し込みはこちらからどうぞ。

東洋大学でシーティング講演

<2013年4月20日>
東洋大学から依頼をいただいて、介護福祉コース実習指導者の会でシーティングについて講演しました。初めてシーティングについて聞く人ばかりでしたが、講演後にはシーティングを施設に導入したいと希望する方も多くて嬉しかったです。日本の介護関係者にもシーティングを知って活用してほしい!

 

順天堂医院 整形外科医局シーティング講演

<2013年4月10日>
順天堂大学整形外科から依頼をいただいて医局会でシーティングの講演をしました。今回のように50名を超える多くの医師の方々に集まっていただいてシーティングについて話すのは初めてでしたが、通常の講演よりは長い時間にもかかわらず、皆様とても熱心に最後まで聞いてくださって大感激でした。講演終了後には多くの質問や依頼をいただきました。質問にお答えするとともにシーティングの車いすや褥瘡予防クッションも試していただいて、その違いについて体感していただきました。今回の講演会が大好評でとても嬉しかったです。今後は臨床や研究の面でも協力させていただきますが、患者さんの変化や問題の改善を早くお見せしたいです。

 

パーキングパーミット制度を進める全国会議

<2013年3月21日>
佐賀県で「第3回パーキングパーミット制度を進める全国会議」が開催され、全国からパーキングパーミット導入県の担当者が集まりました。私が企画提案して佐賀県でスタートしてから6年8ヶ月で29県3市に広がった制度ですが、直接指導していない県では対象者や駐車スペース数などについて問題が生じているため今回の講演となりました。
講演では、本当に必要としている人が使える制度にして、全国展開を目指すために必要なことを基本理念から諸外国の状況まで様々な面から話しました。パーキングパーミットの根本的な理念は歩行困難者の駐車のニーズを満たして問題を解決すること。パーキングパーミット協力施設数と駐車スペース数に応じて対象者を徐々に広げる必要があること。今後世界標準に近づけることで世界の導入国との相互利用が可能になることなどを話しました。講演後には課題についての意見交換でアドバイスを提供。パーキングパーミットが新たなステージに進むことを目指して進めて行きます。

ISS2013・第29回 国際シーティング・シンポジウム

<2013年3月7-9日>
プレ・シンポジウムに続いて国際シーティング・シンポジウム(ISS)、メインシンポジウムが開会。初日は朝8時半から開会宣言。開会のスピーチでは、今年も1700人を超えるPT, OT,リハビリ,障害者関係者が世界30数カ国から参加しているとの報告がありました。提供されている講習は100以上もあります。ISSから派生してインドで初のシーティング・シンポジウムが開催され、アルゼンチンでも今年南米シーティング・シンポジウムが開催。ヨーロピアン・シーティング・シンポジウムは今年で4回目の開催となるそうです。シーティングが世界中に広がっているのを実感します。日本も早く世界に追いついてほしいです。
開会のスピーチの後の3つの講演と基調講演は、車いす使用者のロック・クライマーのマーク・ウェルマン氏の講演からWHOによる後進国での車いすトレーニング・プログラムまでバラエティに富んだ内容でした。車いすトレーニングの講演では、このプログラムがインド、ケニヤ、コスタリカ等で始まっていること。寄付などで車いすを提供するだけではなく使用者に合わせた適切な設定やサービスが必要だということ。このプログラム提供後でも補装具を扱うためのトレーニングと比べて車いすを扱う者、提供する者へのトレーニングの日数はまだ少な過ぎると話していたのが印象的でした。日本と比べたらどうでしょうか。

 

国際シーティング・シンポジウム初日午後の講習
初日の午後は講習では「Wheelchair Clinics. Design & Structure(車いすクリニック)」,「Posture and Postural Tendencies: What’s the Difference?(姿勢と姿勢の傾向)」,「Evidence-Based Guidelines for IPM: Final Research Findings(圧分布測定のガイドライン)」という3つのコースを受講しました。クリニックの講義では病院等で車いすクリニックを開催するための準備や手順を説明してくれました。米国では車いすシーティング・クリニックの他に、圧測定クリニック、車いすスキル・クリニック、上肢・関節機能維持クリニック、車いすメンテナンス・クリニック等様々なクリニックが行われているのが印象的でした。
「姿勢と姿勢の傾向」の講義では静的シーティングと動的シーティングの考え方について学びました。圧分布測定の講義では測定の手順を再認識しました。単に測定を行ったり、最大圧や絶対圧を重視したりししている人が多い日本の医療関係者に聞いてほしい内容だったので、今後の僕のセミナーに含めて伝えていきます。
実は今日の最初と2番目の講習の講師、ジョーンとトムは20年前に僕のシーティングをしてくれた理学療法士です。そしてシーティングを教えてくれたのもこの2人です。恩人であり恩師の2人からまた勉強することができて嬉しかったです。

 

 

国際シーティング・シンポジウム2日目
国際シーティング・シンポジウム(ISS)2日目は一日中講習です。午前中は「The Impact of Lower Extremities on the Posture of Wheelchair Users (車いす使用者 の下肢による姿勢への影響)},「Pediatric Mobility Bases and Designs for Independent Mobility (自走のための小児向け車いすの選択と設定)」,「Functional Positioning for Preschoolers and Beyond: Complex Conditions (重度障害の未就学児からの機能的なポジショニング)」という3つのコースを受講しました。
ベルギー出身で世界的に活躍しているPTによる「下肢による姿勢への影響」の講習では、適切に保持されていない下肢によって姿勢にどのような影響が及ぶか、そしてその原因や解決方法について解剖学的な説明や実演を含めて学びました。素晴らしい講義だったので依頼して9月に日本でセミナーをしていただくことが決定しました。
「自走のための小児向け車いす」の講習では、障害児が乳幼児から小学生になるまでに、どのような車いすを選択して設定し、成長に対応していくかを、評価と目的設定から対応まで話してもらいました。このコースは初級レベルでしたが、復習になってよかったです。
「重度障害のポジショニング」の講習では、就学前から小学生までの障害児のポジショニング・プログラムを提供しているセンターのOTから座位・臥位・立位に於ける機能的なポジショニングについて実例を含めて学びました。興味深い内容だったけれど、ものすごい早口でちょっと疲れました。昼食後にまだ講習は続きます。

 

ISSでの展示会
国際シーティング・シンポジウム(ISS)ではシーティングと車いすを中心とした機器展示が行われます。展示会はプレシンポジウム2日目からシンポジウム2日目まで。毎年新製品も多く紹介され、私はこの機会に取引先とミーティングしたり新製品の説明を受けたりしてとても有意義な時間です。古くからの友人でもある取引先の担当者と再会して話ができるのも嬉しいです。

 

国際シーティング・シンポジウム2日目午後の講習
国際シーティング・シンポジウム(ISS)2日目日。午前中の3つの講習に続き、午後も2つの講習とフォーラムを受講。午後最初の講習は「Functional Positioning for Preschoolers and Beyond: Complex Conditions (重度障害で複雑な症例への対応)」。複雑なケースに対応する際にPT,OTをはじめ各職種の人達がどのように役割分担をして進めるか、目的設定から支援機器の評価、そして設定や調整までを2つの症例を使って分かりやすく説明してくれました。
次の講習は「The Mat Assessment(マット評価)」。シーティング評価の中でも特に重要なマット評価について臥位と座位での評価手順と記録方法について詳しく説明してくれました。骨盤の後傾・前傾・傾き・回旋。股関節・膝関節・足関節の傾向等を評価して採寸してシーティングに繋げます。いつもシーティングを提供する際に行っているマット評価ですが、この講習で重要性を再認識。新たな発見もありました。
今日の最後はISSフォーラム。今回のテーマは「Increases in Wheelchair Breakdowns, Repairs and Adverse Consequences (壊れては困る車いすの破損による修理が増加しているという研究発表を受けて、どのようにの車いすの品質向上を目指していくか)」というものでした。とても興味深い研究データの発表後、シーティングや車いす業界で有名なパネリスト6人が討論。会場からの意見や質問も受けて盛り上がりました。低収入の障害者に修理の必要性、回数、再修理が多いそうで、助成金が出にくくなったことも原因のひとつだそうです。欧米よりも車いすが壊れやすく、破損が頻発している日本も調査・研究が必要だと思いました。

 

国際シーティング・シンポジウム最終日講習
国際シーティング・シンポジウム(ISS)最終日は、さらに2つの講習を受けました。朝一の講習は「Biomechanics and Its Application to Seating (シーティングへの生態力学の応用)」。最初に大学教授の講師が生態力学の基本について講義した後に、シーティングでは有名なPTのケリーさんがシーティングーへの応用について話してくれました。重力・動き・力の方向に対応する支持の提供、様々な部位での三点保持、重心の移動への対応など、とても興味深い内容で今回のISSで受講した講習の中で最高の内容でした。1時間半では足りないので、ぜひ一日コースを受講したいです。
二番目の講習は「キネシオテープによる動的姿勢保持」。スポーツで使用するキネシオテープを筋緊張や変形への対応に活用した症例を多く紹介してくれました。技術的な内容が少なかったのが残念でしたが興味深い内容でした。この講習が今回のISS最後の講習。今回は11の講習を受けて新しい情報と知識が多く得られました。帰りの飛行機の中でノートを清書しようと思います。
講習終了後に閉会式の講演がありました。今回は元オリンピック400mハードルの選手で片大腿切断後にパラリンピックの走り幅跳びで銀メダルをとったジョン・レジスターさんの講演。単なる経験談だけではなく、変化を起こすことの重要性について熱く語ってくれました。参加者は元気をもらってISS 2013は終了しました。

 

 

国際シーティング・シンポジウム終了
ナッシュビルで開催された国際シーティング・シンポジウム(ISS2013)での5日間の講習を終えて帰国しました。今回はプレシンポジウムで「障害者の高齢化による二次障害」のコース、メイン・シンポジウムで11の講習を受講し、素晴らしい全体講演も聞くことができました。アメリカとカナダを中心に世界30数カ国から参加した約1700人のPT,OTと一緒に勉強できたことは、日本でシーティングを提供していく上で、自分が提供していることは世界標準の考えであり最新のものだという自信となります。
今回25時間15分の講習を受けて勉強したことで2.535CEU(Continuing Education Units=継続教育ポイント)、が獲得でき、写真のような証明書を主催者のピッツバーグ大学からいただきました。(写真) 私にとっては勉強した証ですが、北米のPT,OTにとってはセラピストの免許(Licence)を更新するために不可欠なCEU(継続教育ポイント)です。北米は州によって時間は異なりますが、最も多いワシントン州では40時間、最も少ないマリーランド州でも30時間(3.0 CEU)を獲得して証明できないとセラピストの免許は更新できません。更新期間は2年ごとの州が多いので、今回私が勉強した時間の2~3倍は継続教育として勉強しなければなりません。だからどんなにベテランのセラピストでも継続教育を受けています。今回も日本でセミナーの講師をしたことのあるトップレベルのPT,OTが一緒の教室で勉強していました。そのような継続教育がセラピストのレベルを高め、最新の技術と最新の製品を患者さんに提供できるのでしょう。日本もいつの日か北米のような高いレベルの継続教育が提供されることを望みます。
昨年のISS後に、私はセミナーをする度、病院や施設を訪れる度にPT,OTの方達をISSに誘いましたが、今回も日本からの参加者はとても少なく、実際に勉強している人は極僅かでした。英語の問題もあるでしょうがぜひもっと多くのセラピスト、医師、車いす・シーティング業者が参加してほしいと切に願います。そして日本にもシーティングのグローバル・スタンダード(世界標準)が定着することを心から望んでいます。

 

 

ISS2013・プレ・シンポジウム

<2013年3月6日>
今年も国際シーティング・シンポジウム(ISS)に参加して勉強してきました。今年の開催地はアメリカのテネシー州のナッシュビル。会場は一昨年前と同じゲイロード・オプリィランド・ホテル&コンベンションセンター(Gaylord Opryland Hotel & Convention Center)。この巨大な施設が使われるようになったのは1700人を超えるISSの参加者に対応できる唯一の場所ということでした。例年通り朝から晩まで勉強漬けの4日間でした。
初日のプレ・シンポジウムでは1日または半日の専門コースを選んで勉強します。今年は9つの講習の中からシーティング経験30年のベテランPT,OT3名(Jean Minkel, Susan Johnson Taylor, Mary Shea)による「Aging with a Disability: Evaluation, Clinical and Research Perspectives(障害者の高齢化による二次障害:評価,臨床,研究展望)」という8時間の講習を受講。時代の変化も熟知しているシーティングのベテランによる講義でした。
障害者は高齢化によって体や機能性に変化が生じる、その結果二次障害や機能性が低下、高齢化に対応するための方法や製品変更が必要、健常者との老化の違い(1.5倍)、障害やレベルによる老化の特徴(脊損,ポリオ,MS,CP等)、老化による二次障害への対応(褥瘡,変形,関節,疲れ,痛み等)、車いすの操作と移乗方法の変更、シーティングによる対応、残存機能は酷使するのではなく保護して維持するという考え、そしてAging評価の方法などについて学びました。
このテーマは脊損である自分にとっても切実な問題なので、とても興味深い内容でした。このようなことを日本の病院やセラピストは教えているのだろうか?日本の障害者は知っているのだろうかと心配になりました。今後はこのテーマを含めたセミナーも提供していきたいです。
このコースを受講した車いす使用者が自分だけだったので、講習の後半に講師に頼まれて自分が使用している製品や姿勢について説明する機会をいただきました。参加者の皆さんに自分の経験がシェアできてよかったです。

 

認定介護福祉士制度化のための研修

<2013年1月6日>
2013年最初のシーティングセミナーは、厚生労働省と日本介護福祉士会から依頼された認定介護福祉士制度化のための研修。介護福祉士のリーダーとなる人を育成しようというプロジェクトです。全国から選抜された50名程の介護福祉士は介護に関わる様々な事を勉強します。私は、車いす、姿勢保持、シーティング、褥瘡予防・再発防止について3コマ(4時間半)の授業を提供しました。皆さんとても熱心に聴いてくれましたが、全国から選抜された人でも車いすについて知識がある人は僅か。シーティングはとても新しい情報として刺激的だったようです。この新しい制度によって介護のレベルが上り、自立支援が可能になれば嬉しい限りです。